手内在筋と投球障害
手内在筋と投球障害
ボールリリース時の手の機能から内側型野球肘障害を考える
栗田 健
理学療法ジャーナル Vol.55 No.6 2021.6 p635-641
【文献の要点】
・内側型野球肘などの投球障害には手内在筋の機能が大きく関与している。
・手内在筋は中手筋群と母指球筋・小指球筋群の2グループに分けることができる。
・手内在筋の機能低下により手外在筋のオーバーユース、肘の障害に繋がる。
・ボールを前方でリリースするためには手内在筋が重要。
【文献の基本構造】
投球障害と手内在筋の関係
→特にボールリリース時の疼痛は手内在筋機能低下が関与している。著者による研究から説明。
手内在筋の特長
→中手筋群と母指球筋・小指球筋群に分け、それぞれの特長、評価方法を説明。
運動療法の考え方
→評価と同様の運動を負荷量など調整しながら実施していく。
投球障害への展開
→実際の症状をもとにアプローチ方法を説明。投球動作に合わせたより実践的なアプローチ。
【著者の伝えたいこと】
・投球動作は下肢からの運動連鎖のなかで行われるが、動作の最後であるリリースポイントに着目。手内在筋の簡易的な機能評価から早期発見や障害予防に繋げていける。
・投球動作は大きな重心移動を要しており、足趾や足部の評価、アプローチも念頭に入れる。
【文献を読んでみて思う事…】
・手内在筋に対する評価、また簡易的なアプローチが紹介されており実践しやすい。
・投球障害に対して、また予防においても参考となる内容となっている。
・投球において球持ちの良さや「身体の前で離すことがよい」と聞くことは多い。体重移動など下半身の使い方が関係することは想像しやすい。最後までボールと接している手で
あり、手内在筋の機能の重要性も頷ける。
【まとめ】
・投球障害と手内在筋の関係性を説明している。中手筋群や母指球筋、小指球筋群それぞれの評価、アプローチが詳しく紹介されており、実践しやすいのでは。
・投球障害に特化した内容ではあるが、手内在筋の機能評価や知識の学習へ活用できる内容となっている。
・スポーツ現場や外来などで投球障害に関わることの多い方、またプレーヤーの方にもおすすめ。
記事:ながちゃん
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