代謝系疾患患者に対する理学療法の一環としての栄養管理
代謝系疾患患者に対する理学療法の一環としての栄養管理
矢部広樹
理学療法37巻6号2020年6月 P553-563
理学療法を構築する上で運動療法は考えなければならない要素であり,その生態代謝という生命の基礎を作る部分に関し,代謝系疾患患者を具体例として基本から説明している内容である.
理学療法士が行う代謝系疾患の栄養学的評価として
看護情報や栄養情報,採血データ,患者の反応-体重や尿量,アルブミンなどの項目が用意され,理学療法のための病態把握の着眼として,体重の変化をどのように捉えるのが具体的に説明している表
フィジカルアセスメントより得られる理学療法の一環としての栄養評価
という理学療法評価と栄養を病態把握の着眼として矢部氏の見解を含めてまとめている表
はどのように他職種情報の把握をするのかと悩んでいるセラピストには必読の内容である.
栄養状態
→提供食事内容
→提供されているカロリーを把握し,提供される食事内容の意図的な変更は治療方針の変更,患者の病態変化を類推するべき
問診
→食欲
→疾患の病態変化や薬剤の副作用によっても食欲は変化する為,病態把握のために食欲を問診する
腑に落ちたポイント
・タンパク質の代謝と運動との関係
筋量は筋を分解する異化作用と合成する同化作用とのバランスで一定に保たれる.
筋量の増加→同化作用>異化作用
筋力増強練習は筋組織を損傷させ,タンパク質とアミノ酸の分解を促進する.筋力増強によって生じた機械的ストレスにより,筋細胞膜Caチャンネルを変化させ,
→細胞内に流入したCaイオンは細胞内のCa依存性シグナル伝達と介する
→タンパク質合成を促進
→骨格筋への刺激はインスリン様成長因子の発言を促す
→骨格筋増殖に関与
:筋力増強のメカニズムに栄養という視点をミクロな生理学部分にまで落とし込んであり,非常にわかりやすく記述されている.
もし普段当たり前にアプローチを行っている部分に,ミクロな視点が加われば,より自分の行うアプローチに具体性とエビデンスが乗り,治療効果にも繋がると考える.
おわりにでも述べられているが,代謝及び栄養学的な視点に立った理学療法は,患者の身体へ最適な運動負荷を可能とし,理学療法の効果を最大限に引き出す可能性を秘めている.
栄養は人間の生体を維持する為に必須であり,どこまで運動負荷に結びつけられるかは経験だけでは賄えない.セラピストとして学ぶべき内容詰まっていると本文から非常に感じた.
記事:ひわ
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