総コレステロール・中性脂肪変動とアルツハイマー病発症リスクの関連性

LDL、HDL変動とは関連性ないそうだ。メカニズムは不明


Moser, Ethan D., Sheila M. Manemann, Nicholas B. Larson, Jennifer L. St. Sauver, Paul Y. Takahashi, Michelle M. Mielke, Walter A. Rocca, et al. “Association Between Fluctuations in Blood Lipid Levels Over Time With Incident Alzheimer Disease and Alzheimer Disease Related Dementias.” Neurology, July 5, 2023, 10.1212/WNL.0000000000207595 . .

https://n.neurology.org/content/early/2023/07/05/WNL.0000000000207595

【背景と目的】 アルツハイマー病およびアルツハイマー病関連認知症(AD/ADRD)の予防戦略は緊急に必要とされている。脂質の変動性、すなわち異なる時点における血中脂質値の変動については、これまで広範に検討されておらず、AD/ADRDのリスクに寄与している可能性がある。脂質パネルは、臨床におけるルーチンのスクリーニングの一部であり、電子カルテ(EHR)でも日常的に入手可能である。そこで、地理的に定義された大規模な集団ベースのコホートにおいて、複数の脂質型の変動とAD/ADRD発症との関連を検討した。
【方法】 2006年1月1日の指標日にミネソタ州Olmsted郡に居住し、AD/ADRDの診断を受けていない60歳以上の全住民を同定した。指標日以前の5年間に総コレステロール、トリグリセリド、低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)、高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)を含む3項目以上の脂質測定を行った人を対象とした。
脂質の変動は、個人の脂質レベルの経時的変化と定義され、その方向は問わず、平均値から独立した変動(VIM)を用いて測定された。脂質変動五分位とAD/ADRD発症との関連は、Cox比例ハザード回帰を用いて評価した。参加者は2018年までAD/ADRDの発症について追跡された。
【結果】 最終解析対象者は11,571人(平均年齢71歳、54%が女性)であった。追跡期間中央値は12.9年で、AD/ADRDの発症は2,473例であった。
性別、人種、ベースラインの脂質測定値、学歴、BMI、脂質低下治療などの交絡変数で調整した結果、総コレステロール変動の最高五分位群の参加者はAD/ADD発症リスクが19%上昇し、トリグリセリド変動の最高五分位群の参加者は23%上昇した。
【考察大規模なEHR由来コホートにおいて、総コレステロール値とトリグリセリド値の変動が最も大きい五分位群では、AD/ADRDの発症リスクが高かった。この関連性の背後にある機序を明らかにするためのさらなる研究が必要である。】
www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。


解説記事 要約 written with ChatGPT4

Fluctuating Lipid Levels Tied to Increased Dementia Risk (medscape.com)

  • 高齢者におけるコレステロール値とトリグリセリド値の変動は、アルツハイマー病とアルツハイマー病関連痴呆のリスク上昇と関連することが、新しい研究で示された。

  • 総コレステロール値の変動が最も大きかった参加者は、値が安定している参加者に比べて、ベースラインから12年以内にこれらの疾患に罹患するリスクが19%高かった。

  • トリグリセリドの変動が最も大きかった人は、リスクが23%増加した。この研究では認知症のタイプは区別されていない。

  • 研究責任者であるSuzette Bielinski氏は、このような変動を長期にわたってモニターすることで、認知症リスクの高い人を特定することができ、このリスクを低減するための将来の戦略に役立つ可能性があると指摘している。

  • この研究はNeurology誌に掲載され、Rochester Epidemiology Programの医療記録を用い、AD/ADRDと診断されたことのある参加者やベースライン時の脂質測定が3回未満の参加者は除外された。最終的なコホートには60歳以上の11,571人が含まれた。

  • 平均10年間の追跡期間中、参加者の21%がAD/ADRDを発症した。

  • しかし、脂質低下薬の服用歴やLDL-CおよびHDL-C値の変動との関連は認められなかった

  • 脂質のばらつきの増大と認知症との関連はまだ明らかではない。内皮機能障害を指摘する説もある。

  • この研究では、認知症のサブタイプを区別していないこと、アポリポ蛋白(APOE)のハプロタイプに関するデータがないことなどの限界があった。

  • アルツハイマー病協会のChristopher Weber氏は、コレステロールとトリグリセリドを低く安定したレベルに維持することは、アルツハイマー病や他のタイプの認知症のリスクを減少させるのに役立つ可能性があることを示唆している。

Translated with DeepL



いいなと思ったら応援しよう!