【今月のマリアージュ】鮑漁解禁。志摩の海女さんが運ぶ至福の時を。
2024年。鮑漁解禁。
2024年もこの時期がやって参りました。
三重県志摩市が誇る、伝統と敬愛の海女さんが漁獲した新鮮な鮑が食卓を彩る。
養殖ではない、
志摩の海ですくすく育った貴重な天然ものの活き鮑。
今宵は、プロヴァンス流のしっかりとしたとろみのあるソースで仕上げた鮑料理に、
とろりとしたクリーミーな味わいのパナメラ・シャルドネとのマリアージュは
相性の良さに思わず、ダイニング松本も舌を巻いた。
命をかけて、海に生きる。
海女さんの1日。
「ザバーン!」
大きな水しぶきをあげて、船から海に飛び込む。
命綱と約13kgのおもりを結んだ海女さんの体は、一気に深水10mの海底へと潜り、
岩にへばりつくようにして鮑を探す。
発見すると
すかさず鮑をつかみ、その大きさは手のひらからはみ出すほどの20cm近くもある大物。
船上では、
海女さんの旦那様が、船が風や潮に流されないよう、絶えず舵を切り返して操船する。
「グイッ」と命綱を握る旦那様の指先に、海底の海女さんからの合図が響けば、
全身の力を込めて命綱を巻き上げる。
巻き上げた先には、
大きな鮑をつかんだ笑顔いっぱいの海女さんが海面に姿を現す。
「おぉ!ええのが獲れたな!」
その太陽のように美しく輝く笑顔を見て旦那様はホッと安堵して表情を和らげ、海女さんをねぎらう。
そして、
呼吸を整えた海女さんは、再び海底へと潜っていく…。
海女漁と海底の変化
海女漁は1日の中の午前と午後に1回ずつ、
1時間半ほどの間に息を止めて潜る「50秒の勝負」を30回以上も繰り返し行うため、
経験だけでなく、体力も必要不可欠。
1歩間違えば、命を落としかねない、死と隣り合わせの海女漁。
そして、
水流と水圧で身動きが取りにくい海底で、素早く鮑を見つけ、素手やノミでつかまえるその技術は神業にも見える。
しかし、
いい場所に潜ると何個も獲れても、1度潜っても何も獲れないことも多く、
やっとの思いで見つけても、
鮑は簡単には岩から外れにくく、素早い対応と確かな技術がなければ、さらにひっつきが強くなり、ますます獲れなくなってしまいます。
近年では、
黒潮の大蛇行が続いており、海が磯焼けし、海の生物が年々減少している中で
貴重な海の恵みを守るために、海女さんをはじめ、漁業関係者による熱心な取り組みが行われています。
その取り組みの1つとして、
毎年夏になれば2万匹の稚貝を放流しているのですが、ただ放流するのではなく、
かきなどの貝殻にくっつけて
海女さんがわざわざ潜って岩礁まで置きに行っています。
命をかけて、海に生き、海を愛し、海を守る。
そうして、
皆様の食卓に並んだ1つ1つに感謝と畏敬の念を込めて。
志摩産鮑がおいしい理由。
恵まれた水と地形。
日本の海女漁発祥の地と言われている、志摩半島は、
川からもたらされる山の養分をたっぷり含んだ伊勢湾の水と、温暖な黒潮が絶妙に交ざり合い、
栄養豊かな海を作りだしています。
さらに、
志摩半島の海は比較的水深が浅く、黒潮の透明度も手伝い、太陽光線が海底まで差し込むため、
海藻類がよく育ち、それらを食べて育つ鮑にとって最高の住処となりました。
そのため、
鮑が生き生きと沢山の栄養を含んだえさを沢山食べて育った、三重県志摩市産の鮑は、
食通もうならす肉厚で豊満、大きな鮑へと成長し、
はちきれんばかりのぴちぴちの身は、触れる指を心地よく押し返す弾力のある別格の旨みを誇っています。
口いっぱいに広がるジューシーな旨みと程よい甘みが溢れ出す、
天然ものの活き鮑をぜひこの機会にご賞味くださいませ。
そして、
プロヴァンス創作料理での鮑料理は、素材を活かしつつも、
手の込んだしっかりとしたとろみのあるソースで仕上げた、優しい味つけが特徴。
そんなプロヴァンスの鮑料理には、とろりとしたクリーミーなテクスチャーのパナメラ・シャルドネのマリアージュをご用意いたしました。
ナパ・ヴァレー出身、パナメラ・シャルドネ
カリフォルニアのシャルドネ×鮑料理
パナメラワインは、カリフォルニアのセントラル・ヴァレーとセントラル・コーストのアペラシオンから厳選されたブドウ畑から
カリフォルニアで最も美しいワイン産地、ナパ・ヴァレーにて、
パーフェクトなワインに仕上がりました。
2013年には、ニューヨーク国際ワインコンペティションで「ナパ・ヴァレー・ワイナリー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれるなど、
数々の国際的な賞を受賞し、ワイナリーは成功への道を歩んでいます。
気になるお味は、
バニラや樽のアロマが感じられる、丁寧かつこだわりの醸造で、一口飲む度に新しい発見を感じながら
色んな味を楽しめる、非常に奥行きのある白ワイン。
果実味たっぷりのマイヤーレモンやバニラ、ナッツ、スコッチウイスキーのようなフレーバーに濃醇な樽香と
まろやかでクリーミーなテクスチャーが、鮑の持つ滋味深い旨味と甘みに相まって、お互いをよりおいしく引き立てます。
ひとたび食せば、
相性の良さに思わず舌を巻く。
ダイニング松本も思わず舌を巻いた、
天然ものの活き鮑×パナメラ・シャルドネの最高のマリアージュは、9月いっぱいまでお楽しみいただけます。
「伊勢のあまの朝な夕なにかづくといふあわびの貝の片思ひして」
-万葉集より-
美食の隠れ家プロヴァンススタッフ、並びに食材一同、
皆様のお越しを伊勢志摩の土地にて、
心よりお待ち申し上げております。