「定年ひとり起業」1年目の振り返りと来年以降の「野望」
昨年3月末に41年勤めた会社を退職し、9月2日に「定年ひとり起業」して「株式会社PROTEAN HIRO」を立ち上げました。第1期決算は7月に締めましたが、初年度ならびにすでに5ヶ月を過ぎたこれまでの取り組み、そして来年以降の「野望」について触れてみたいと思います。
0. 第1期決算(22.9.2〜23.7.31)
第1期決算は残念ながら大幅な赤字となりました。
特に、研修費と消耗品費、旅費交通費が大きく足を引っ張りました。
今期は、なんとか黒字決算とし、3年で累損解消を目指しています。
ここでは、私が定款に入れている5つの業務別に振り返りと今後の野望について触れたいと思います。
この仕事を選んだ経緯については、前のブログに書きましたので割愛させていただきます。
1. 経営コンサルタント
経営コンサルタントの仕事は、会社の基幹業務として、売上に大きく貢献してくれました。
現在、2社の顧問としてそれぞれ週に1日出かけています。
1社が中堅の印刷会社で、品質改善の小集団活動(QC活動)を指導する顧問の役割です。この活動には、全従業員約200名が関わっており、25グループのリーダーとの個別面談を通して助言をする仕事です。また、今年は本社移転をすることになり、それを機に在庫削減、レイアウトの適正化、オペレーション改善等をトップに提言して、実現しました。現場の社員と一緒に、抱えている課題を解決するのは楽しくてやりがいがあります。
もう1社がキャンピングカーの製造・販売会社です。キャンピングカーレンタルのための車両購入を通じて地元のキャンピングカー製造・販売会社の社長と懇意となり、その会社の顧問になりました。こちらは、私の長年のキャンピングカー利用歴とともにトヨタでのオペレーション改善活動等のノウハウを活用して、いろいろな助言、サポートを実施しています。自分の理想とするキャンピングカーを提案するという楽しさがあります。
<来年以降について>
印刷会社の顧問については、現在はスタッフレベルとの対話が主体ですが、来年以降はもう少し経営者やGMレベルとの対話に参画していきたいと考えています。
キャンピングカー会社については、もう1日出社を増やして、営業マンとして実際にキャンピングカーを販売する仕事にもついてみようかと考えています。
2.キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントに関する事業は、ほとんど進展がありませんでした。
再雇用期間中に国家資格キャリアコンサルタントの資格とプロティアンキャリア協会の認定ファシリテーターの資格を取得し、対企業向けのセミナーに登板したいと考えていました。しかし、実際に協会のセミナーに登壇する人は、日頃、社内や仕事としてセミナーを実施している人たちが主体で、人事経験のない私にはほとんどお呼びがかからないのが実態です。
唯一、この協会としてセミナーに登板したのは、私自身が依頼を受けた名古屋の私立高校1年むけの無償キャリアセミナーでした。全13クラスの生徒500名に対して、約1.5時間のセミナーでした。協会の全面支援を受け、私を含め17名の講師で実施し、成功裡に終わりました。私一人では到底実現できなかったセミナーを皆の力を借りて実現できたことは大きな成果でした。
<来年以降について>
12/14にTBS系のTHE TIMEで紹介された「おじさんLCC」では、「おじさん未来研究所」を通しておじさんのキャリア自立に向けて様々な計画がされており、私も積極的に参画していきたいと考えています。
3. 語学教授、語学教室の経営、通訳業
語学に関する事業はほとんど進展しませんでした。
<英語>
昨年3月に失効していた英語の教員免許状の更新し、愛知県の教員人材バンクに登録しました。すると愛知県の有名私立高校から3件立て続けに依頼の電話がありました。そのうちの一校での臨時講師を9月からやることにしましたが、残念ながらドタキャンになってしまいました。
ただ、その時にキャリア教育の話をし、前述の高校1年生向けのキャリアセミナーにつながりました。
今年の4月からの新学期に向けて再度教員人材バンクに登録しようかと思いましたが、やはり数百人の生徒を受け持つには、責任と負担が大きいので人材登録を断念しました。
<日本語講師>
再雇用期間中に日本語教師の資格を取得して、ボランティアとして名古屋市西区でベトナム人研修生に日本語を教える機会を得ました。ただ、昨年引越しをして、移動が困難になったために、現在は行っていません。
日本語教師の求人も当たったのですが、スケジュールも固定され、また授業準備に相当時間がかかる割に時給も低いこともあり、応募するに至っていません。
<来年以降にについて>
英語については、TOEIC満点取得のためのノウハウを築いてきたので、そのノウハウを活かして得点向上に悩んでいる人たち向けに、ストアカで「TOEIC得点向上講座」を開きたいと思っています。
日本語教師は、日本人から直接日本語を学びたいと思っている海外の人たち向けのオンライン講座の講師として参画したいと思っています。
4. 写真撮影、写真等の販売、フォトスクールの経営
写真も収益面では、ほとんど貢献しませんでした。
出張写真撮影は、再雇用時代に副業申請をしてマッチングサイトのOurphoto主体に始めたものです。昨年会社を設立以降も行っていますが、数ヵ月に1度程度の仕事しかありません。ただ、撮影した写真を提供すると本当に喜んでいただけるので、やりがいはあります。
写真の販売については、アシスタントを採用して、PIXTAというストックフォトのサイトに6月から毎月せっせとアップロードしています。現時点で、約1000枚の写真をアップしましたが、まだ7枚の販売しか記録していません。
<来年以降について>
出張写真については、時間調整の手間や作業時間の割合に報酬が少ないことを考え、このマッチングサイトからの撤退も検討しています。ただ本年、セミナーとのタイアップで写真撮影をしたところ、大変好評だったので、この形での撮影は継続したいと考えています。
ストックフォトについては、今後も継続して写真登録を続けたいと思っています。来年は1万枚の登録を目標にしたいと思っています。国内外で数多くの風景写真を撮影してきたため、ハードディスクにはデジタルだけで20年分(7TB)の写真があります。このストックを使ってPIXTAでトップレベルの風景写真クリエーターになることを目指しています。
また、Shutterstock等の海外のストックフォトサイトにも登録して海外への販路拡大を試みたいと思っています。
さらに、今まで手をつけていなかっったフォトスクールについては、LCCメンバー向けの写真同好会を設立して、ノウハウ蓄積。その後、地元の在日外国人向けのMeetupでの写真教室を主催したいと考えています。最終的には、インバウンドのフォトグラファー向けのフォトツアーに繋げる野望を持っています。
また、私の写真の先生と米国の私の友人カメラマンと相談して、日本のカメラマンをアメリカに連れて行くツアーも検討中です。
5. キャンピングカーレンタル
この事業は、ある意味思いつきで始めたものです。実際に始めたのが本年6月からなので、第1期の決算にはほとんど貢献していませんが、売り上げが順調に伸びており、会社の2本目の柱に育ちつつあります。
再雇用時代にコロナで通勤が不要となったことで、当時自家用車として使っていたキャンピングカーをCarstayというマッチングサイトでカーシェアし始めたのがきっかけです。
会社立ち上げ後に、インバウンドのお客様が私の車をシェアしたいという要望があったのですが、カーシェアは、「保有している車を使っていない時にシェアする」という趣旨のものであり、海外からのお客様には適用できないとわかりました。
そこで、正式にレンタカー業の資格をとり、キャンピングカー・レンタルを会社の定款に加えました。その際に、軽ベースのキャンピングカーを増車し、6月からJapan C.R.C.というインバウンドに強いフランチャイズに加盟しました。
今の所、レンタカー事業は順調で、2台の車の稼働率は3割ぐらいです。特に軽キャンピングカーは大好評で、11月には予約でほぼ埋まっていました。
狙ったインバウンド需要も順調に取り込めています。インバウンドのお客様は、東京・京都・大阪では、公共交通機関を利用し、名古屋で私の車を借りて、白川郷・高山の岐阜方面や、上高地、長野、そして富士山方面に出かけられているようです。一方で、国内のお客様は、中部地方での週末ファミリーキャンプ、四国・九州方面に旅行や帰省で使われています。
<来年以降について>
現在レンタルしている一台の車両は、8年目を迎え、走行距離が13万キロとなっているので、もう少し大型で、インバウンドの方に魅力を感じてもらえるような車に代替を考えています。それにより単価と稼働率を上げて、収益を伸ばしたいと思っています。現在、その資金をどう調達するか思案中です。
6. 執筆家
この仕事は、会社の定款にも載せていませんが、来年以降真剣に取り組みたいと思っています。
5月に「おじさんLCC」の金澤美冬さんの紹介で、私が定年起業をする際のバイブルにした「定年ひとり起業」の著者大杉潤先生の「定年ひとり起業 生き方編」出版記念会に参加させていただきました。なんとその懇親会の席で私の前に座られていたのが、2月のnoteで書評を掲載した「起業メンタル大全」の著者立花岳志先生でした。
その出会いから、大杉潤先生の最新刊「50代 お金の不安がなくなる副業術」の巻末にインタビュー記事を掲載いただいました。
また、11月に立花岳志先生と出版コンサル契約を結び、2025年の出版に向けてコンサルを受けることにしました。
最初は定年後の生き生きライフについての本、そして海外キャンプ旅行、さらには写真集の出版を考えています。
どうなるかはわかりませんが、私は、まずは皆に宣言してしまって、それからスタートするタイプなので、ここで後に引けないように公言させていただきます。
7. まとめ
約1年4ヶ月の「ひとり起業」の感想は、「好きで得意な仕事だけしているので楽しくて仕方がありません」です。また、「嫌なこと・不得意なこと」は外注にしたり、お断りすることにしているので精神的にも安定しています。また、5つの得意分野をかけみ合わせることで、他との差別化が図れていると思います。
やりたいことが多すぎて、時間のマネージメントがうまくできないということだけが課題です。ただ、私が30代に知ったスティーブン・コビーの「7つの習慣」の第2「終わりを思い描くことから始める」に従い、私は人生が終わるときに「やらなかった後悔をしない」ようにしたいと思っています。
相変わらず、長々と文章を書いてしまいましたが、定年ひとり起業の実例をを少しでも参考にいただければ幸いです。また、私自身の来年以降に向けたコミットメントとご理解いただければと思います。