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頸椎のカップリングモーションを臨床に落とし込むには 理学療法

今回は頸椎のカップリングモーションについてお話しさせていただきます。

カップリングモーションとは脊柱の動きの組み合わせをいい、その背景には解剖学的特徴に裏付けされる運動の優位性だと考えています。

中位下位頸椎の椎間関節面は水平面に対して後方に45°の傾斜をします。
それに対して、外側の環軸関節は関節面が前方に傾斜をします。

この骨構造上の特徴があるから上位頸椎と中位、下位頸椎の運動は逆転する動きをすることを理解することがとても重要です。

なので、
上位頸椎は側屈しながら逆側回旋
中位下位頸椎は側屈しながら同側回旋が起こります。

その結果、横を向いたときに目線は水平を保ち、後方を向くことができます。
もし、すべて同じ関節面の傾斜ならば、後ろを向うとすると下に目線がいってしまいます。

生活で考えると手を側方にリーチする際にリーチ方向に目線を向けても頭位がその位置を保てたり、テニスや野球でボールを強く打つ時に頭位安定し目線がブレないことの要素の一つになっています。

評価・治療に落とし込む際は
文章で理解するのではなく、関節面の形状をイメージして誘導することがとても重要であり、目線を保って振り向けることは2つの別なカップリングモーションが同時に起きなければ正常に動けないことを理解することが大切です。

また、上位胸椎は下位頸椎の関節面と似た形状や角度であるため、下位頸椎が動くための大事な構成要素となり、中位下位頸椎の運動制限に対して評価が必要となります。
さらに上位頸椎は視野、前庭機能、顎関節などの機能と関連することも理解が必要となります。

「カップリングモーションは同側側屈・同側回旋」などの覚え方ではなかなか臨床で応用することは難しく、ただの物知り博士になってしまうのでその背景や構成を理解したうえで活用することが大事であると考えます。

※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。

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