立位「骨盤アライメント」の判断基準は 理学療法士
今回は立位姿勢での骨盤アライメントの評価ついてまとめていきます。
骨盤位置は重心位置との関係が強く、動きを捉える手段の一つとして立位姿勢評価においてアライメント評価の重要性は高くあると思います。
そして、骨盤の位置は上前腸骨棘より上後腸骨棘が2~3横指高いものが基準とされると言われており、2横指以下は骨盤後傾位・3横指以上は骨盤前傾位と言われています。
それに加えて、骨盤の空間上での前方移動と後方移動を捉えることが必要であると考えており、これらの組み合わせを理解する必要があります。
例えば、片麻痺の対象者では骨盤が後方移動しながら前傾位を取ることでバランスを保つ場合があります。
その中で良い骨盤アライメントとは何かと考えると単純に前傾位や後傾位などと答えることは出来ないと思います。
その理由としては静的アライメントからは運動がしやすいかどうかの判断は出来ないからです。
そのため、立位姿勢で前傾運動や後傾運動、左右非対称な回旋運動が起こる余裕があるか(運動の自由度)がポイントとしてあると考えています。
さらに、前方移動や後方移動できる余裕があるかもチェックする必要があり、それぞれの方向に運動出来るということは上半身質量と下半身質量がそれぞれ前後に相対的に動ける運動域があることを意味します。
骨盤が動くためには腰椎と股関節運動の連動は必須であり、それぞれに影響を与える因子も間接的に骨盤を動かす動力となります。
例えば、立位姿勢で一方の大腿骨が外旋運動出来ない場合は同側の骨盤は後傾運動できず、後方移動もしにくいことが考えられます。
そのため、重心の同側への側方移動がしにくいことや立脚前半の骨盤動揺に関連することが考えられます。
このように骨盤のアライメントが非対称になることや中間位から外れていることに対して、単純に修正する動きを促すのではなく、なぜそのアライメントになっているのか、そのアライメントからどのような動きに問題があり、動作に影響しているのかを考えることが非常に重要となります。
そして、アライメントよりも骨盤の自由度が確保されている方が動きに対して、ポジティブな要素が多いため、改善を図ることが必要であると思います。
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※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。