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関節可動域測定(ROM-T)の間違えやすい解釈とは 理学療法士
今回は関節可動域測定の結果の解釈について間違えやすい部分についてまとめていきます。
関節可動域測定とは理学療法士が一番最初に習う評価であることも多く、臨床の機会でもかなり重要であります。
ただし、盲点となりやすい部分があるとも感じています。
それはそれぞれの関節部位の測定方法が明記されているため、その結果はその関節のみの結果として捉えてしまうことが多いということです。
具体的に話を進めると「股関節の屈曲」の可動域が90°だった場合に無意識的にも股関節が硬いんだろうなとおもってしまうということです。
それは決して間違ってはいないのですが、股関節の屈曲運動をするための構成要素は大腿の外旋運動、下腿の内旋運動、骨盤の後傾運動、腰椎の屈曲・同側側屈・同側回旋運動、下部胸郭の逆回旋運動が必要となります。
そのため、上記のどこかに制限があることで股関節屈曲の測定は引っかかってしまいます。
だから、その測定結果からさらに深掘りをしていく評価はとても重要であると同時に股関節の屈曲制限を股関節屈曲運動で良くするといった単一的で不確定な治療選択にならないのではないかと考えています。
上肢でも肘関節伸展運動は上腕外旋運動、前腕回外運動、肩甲骨後傾・内転運動、胸郭後方回旋運動が必要ですが肘関節伸展制限の制限因子を肘関節周囲の組織から探そうとしているケースがあり、各関節でこういった盲点が多々あると思います。
なぜ、このような盲点が生まれるか考えてみると関節可動域測定での「基本軸と運動軸が関節内の運動軸と合わないこと」であると思います。
そのため、矢状面運動の測定でも関節内では水平面上や前額面上の動きが必要になること、さらに他部位でその動きがより強調されて計測している関節運動を作っていることがあると思います。
だからこそ、関節内の構造や運動軸への理解は動きを専門とする者は必ず理解することが重要であると考えています。
そうすることで骨形態への興味や重要性の理解にも繋がるケースがあるのではないかと考えています。
ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。