![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/160869270/rectangle_large_type_2_76b7d99ae65177373eb7da7f0f833c7e.png?width=1200)
投球動作をどう診る? 理学療法士
今回は投球動作について、どのように評価をしていくかをまとめていきます。
投球動作とは野球やソフトボール、ハンドボールなどボールを投げる動作のことでオーバーヘッドスポーツの特徴的な動きの一つであります。
投球動作はコッキングから加速期、フォロースルーまでの流れで行われ、世間的には「肘下がり」や「手投げ」などがスポーツ現場や病院でよく問題とされていることがあります。
これらの問題として、なんとなく「肩甲骨」「股関節」の柔軟性や筋力などにフォーカスが当たりやすいように感じています。
もちろん、その部位に問題があることが評価結果として導き出されたならば、ターゲットとして考えることは正解だと思いますが、動作のシルエットや思い込みでそこが問題であるように考えてしまっているケースも少なくないように感じます。
特に、現場のコーチや選手自身は正しい投球動作の構成要素も教わっていないし、それを実際にみるための評価方法を知らないため、仕方がないこともあると思います。
その中で、まず大事にしないといけないことは動作を複雑にしてわかりにくくしないことだと思います。
そして、問題が起こっているであろうフェーズの一つ前のフェーズからなにかしらアンバランスが生じていることが考えられます。
投球動作のコッキング後期である最大外旋位(MER)で問題があったとします。
その場合、上肢機能としては下垂位から肩関節内旋、前腕回内運動をしながら肘関節が屈曲運動をして、脇までてが届き、そこからさらに挙上をし、2nd外旋位まで動けるかを評価します。
意外と内旋運動が出来ずに外旋運動へのスムーズな切り替えが出来ず、体幹や肩甲骨の代償を伴うことでバランスを崩している場合も多いです。
こうなった場合は上肢の可動性の問題であるため、そこへの治療介入をすることでまた投球動作の評価を行うことが良いと思います。
また、前腕回内運動制限は見落としがちであり、前腕屈筋群の過緊張で回内位であることから回外制限への比重が多くなっていますが、しっかりと回内運動の運動域を確保することも重要であると思います。
そして、手の向きを肩甲骨関節窩の向きが同じ方向である場合、リリースは側方へ乱れないため、臥位などで天井にボールを投げる動きで評価することで上肢機能を評価します。
これらの上肢機能の評価が引っかからずに投球動作で問題が起こる場合は下肢・体幹部の問題が多いことが予測されます。
体幹部である場合は座位で側方リーチが左右ともにスムーズ、かつ能動的にできて、それぞれの姿勢を保持できるかを評価することが必要です。
そして、下肢の場合はまずは片脚立位ができ、そこから制動をかけて、ランジ動作が安定してできるかが評価として必要です。
当たり前ですが、それぞれ、投球に必要な動きを分解して、それらがしっかりと出来なければ当然「良い投球」はできません。
しかし、上記で述べたように「動作分析」となった途端、動きの特徴で問題点を抽出してしまうケースがあると思うので私自身も注意しながら臨床を行いたいと思っています。
ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。