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肢位によって作用の変わる筋の捉え方 理学療法士

今回は肢位によって作用が変わる筋の解釈についてまとめていきます。

肢位によって作用が変わる筋は人体に複数存在します。

例えば、梨状筋では伸展位では外旋筋ですが、屈曲90°移行では運動軸に対して筋の位置が前方移動するため、内旋筋となります。

その他にも腸腰筋は腰椎前弯位では腰椎伸展作用であるが、前弯が減少している場合屈曲作用となることや棘上筋も外旋位では外旋作用となりますが、内旋位では内旋作用となることが報告されています。

このように関節運動時に関節運動軸に対して、筋が前後移動することで運動軸と筋の位置関係が逆転し、作用逆転することの理由として挙げられます。

そして、それは関節運動に伴い、大きく筋の位置関係を変えることが必要だと解釈することもできると思います。

つまり、その筋はもともと周囲組織と滑走することがより必要な箇所であり、出来なけれ関節運動に伴いポジションが少し変わっただけで急に動けなくなったり、筋出力が落ちてしまうことに繋がります。

さらにこういったたくさん動かなければならない筋の近くには滑液包や脂肪体など動きを円滑にしてくれる組織が存在することが多いため、その組織が滑走できない場合は上記と同様の機能低下が考えられます。

どの作用が重要とかではなく、どちらの作用も機能できる環境があることが一番大切であり、そのためには関節運動自体が保たれていることを前提に筋が滑走することが必要となるため、円滑に動ける環境を作っていくことを考えることがパフォーマンス向上やADLの獲得に必要だと思います。

筋が機能するための構成要素をちゃんと理解しなければ、とことん該当筋の筋トレがメイン治療になることも臨床上多いように感じるため、しっかりと把握することが大事であると思います。

ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。

※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。

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