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肘関節伸展可動域制限に対するアプローチ 理学療法士

今回は肘関節伸展可動域制限に対するアプローチについてまとめていきます。

肘関節は腕頭関節・腕尺関節・近位橈尺関節から構成される関節であり、骨構造の違いからそれぞれが別の運動軸を持つことが特徴の一つとしてあると思います。

また、上肢の中間関節として肩関節複合体や手部・前腕の影響を受けていることがあると思います。

腕尺関節

腕尺関節は上腕骨滑車と尺骨滑車切痕から構成され、屈曲・伸展の矢状面運動が行われるとされていますが、運動軸は矢状面と垂直な関係でなく、水平面と前額面上での運動が必要となります。

さらに、滑車の形状にはバリエーションがあり、その形状に伴って内外反の動きが加わることを理解することが重要であると思います。

一般的には伸展運動に伴い外反運動が起こり、約70°移行屈曲運動でも外反運動がみられるとの報告があり、内側の運動軸に対して外側の運動軸が屈曲から伸展に伴い時計回りをするような形を取ります。

腕尺関節では屈曲位でヒューター三角を評価することで尺骨と上腕骨の相対的な位置関係が把握できるため、内側上顆・外側上顆と肘頭がそれぞれ同じ距離にあるかを触診することが必要です。

そして、矢状面運動に内外反の動きが必ず加わるため、内外反のアライメント修正を局所と他部位の双方から評価が必要となります。


腕頭関節

腕頭関節は回旋運動への影響が大きく、前腕の回内外の動きを評価することが必要となります。

回内外の制限が起こり、アライメント不良となることで、伸展に伴う橈骨頭の背側滑りが制限されることに繋がります。

回内外では近位と遠位橈尺関節や手部からの影響もあるため、橈骨頭と尺骨頭を結ぶ運動軸上で制限なく、動けるかを把握することが重要であります。

可動域自体に制限があることや近位に対して、遠位が大きな弧を描くような動きをしている場合は純粋な腕頭関節の動きに問題が生じているため、その原因の深掘りが必要となります。



臨床上では腕尺関節と腕頭関節それぞれ動きの問題が生じることがあり、矢状面運動の要因(腕尺関節)が強いのか、回旋運動(腕頭関節)の要因が強いのかを把握することが重要であると思います。

伸展角度や屈曲角度によって、回旋運動の制限が変わる際は腕尺関節のアライメント不良に起因する回旋制限であることが多いため、優先順位は腕尺関節となると思います。

また、どの肢位でも回旋運動が生じている場合は腕頭関節から評価していくことが重要であると思います。

ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。

※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。

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