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「今日の臨床」みせかけの可動域に騙されてはいけいない 理学療法士
今回は、今日経験した初介入の前十字靭帯損傷術後の対象者についてまとめていきます。
対象者は前十字靭帯損傷の術後4か月程度でジョグの許可が出ている状態でありましたが、荷重下でのスクワット等では痛みが見られているということでした。
そのため、非荷重下での自動運動を評価したところ、疼痛はないものの膝関節屈曲運動では大腿に対して下腿の内旋運動が不足し、外旋位を呈しており、可動域制限が見られていました。
伸展可動域はもともと過伸展傾向であり、ゴニオメーターをで測定すると両側伸展可動域0°であるもののパテラに対する脛骨粗面の位置は患側が外側に外れて、外旋位でアライメント不良がありました。
関節可動域測定で0°となっているから問題ないと考える方もいるかもしれませんが、アライメント不良となっている可動域で実際の動作を行ったらそれはメカニカルストレスが大きくかかってしまうことは当たり前ですがわかると思います。
左右差の大きかった膝蓋下脂肪体や前脛骨筋や腓骨筋遠位部の滑走性を改善することで伸展位でのアライメント不良が改善され、屈曲可動域の改善も認められました。
その上で荷重下でのスクワット動作確認をすることで初回評価に比べ、Knee-inの一部改善が見られましたが、骨盤の後方回旋がありました。
そのため、股関節、下部体幹、上部体幹の機能評価を進めていき、治療とセルフエクササイズの指導を行いました。
このように局所的な問題と他部位の問題が共存しているケースはとても多いように感じます。
今日の臨床から感じたことは「測定値を出す理由」の背景を考えるということです。
評価をすることは、左右差を証明することや機能低下を証明することでなく、対象者の動作を改善するために行うものであり、その過程の一助が測定値であるということを理解しなければ、測定値に目が行き過ぎて本質を見失ってしまうことがあることを再認識しました。
臨床ではよくあることだと思うのでこの経験をしっかりと活かしていかなければと思います。
ご意見ありましたらコメントしていただければと思います。
※この内容は個人の解釈がありますので参考程度にお願いします。