歯医者さんで気づいた「思い込み」と感謝
先日、歯科検診に行きました。
私は、子どもの頃は結構歯医者さんに通っていました。
虫歯があったのと、上下とも八重歯があったのですが
それを四本とも抜きました。
人一倍怖がりなので、とても嫌でした。
でも、泣かずに、素知らぬ顔でなんとかやり過ごすという子どもでした。
自分でいうのもなんですが、小さなころから駄々をこねたりしない子でした。
・・・なんででしょうね。
お母さんが困るからかな。
歯を削る、あのキーンという音や消毒の匂い。
待合室の時間が、とても長く感じられました。
子ども時代の歯科通いは、
八重歯の抜歯とともに終了したのですが、立派なトラウマになりました。
麻酔をかけてるとはいえ、ペンチみたいなので引っこ抜くんですよ。
あのミシミシいう感触・・・。
今思い出しても、ぞっとします。
20代になっても詰め物の隙間から虫歯ができたり、取れたりして
その治療に通うことがありましたが、今度は親知らずを上下4本抜きました・・・。
下の抜歯の時は、顔も腫れて痛くて。
やっぱりミシミシして。
斜めに生えてるうえに虫歯になってたので、仕方ないとはいえ
本当に嫌で、いやで。
しかも右下は顎の骨を少し削ってまで取り出す羽目に。。
よく耐えたなあ、私。
そんなわけで、歯医者さんに検診にいくだけでも
手が冷たくなって、冷や汗をかいて、動悸がして眩暈を起こしそうになってました。
そういえば、家で歯の一部が欠けたことがあって。
パニックになりました。
さ~っと音がするんじゃないかぐらいの感じで血の気が引いて、
涙目です。
異常な母の様子に、子どもたちは一生懸命なぐさめてくれました。
「だいじょうぶだよ」
「歯医者さんに行ったら治してくれるから」
それなのに、
「大丈夫じゃないよー!」
情けないことに、まるで小さな子のように泣いてしまいました。
当時、40手前なのに。
でも、よく考えると、、
子どもたちには本当の気持ちを出せたんですよね。
甘えちゃった。甘えられたんです。
自分が子どもの時にはできなかったのに。
それだけ、今の家族が私にとって安心できる、大切な人たちなんだと
思いました。
話は先日の検診に戻ります。
そこで久しぶりにレントゲンを撮りました。
もう長い間検診だけで通っているのですが、見えない部分もチェックしましょうということでした。
レントゲンなので、痛くもかゆくもないのは十分承知しているのですが、
もし虫歯があったらどうしようと
不安がまたつきまといます。
結果、大丈夫だったことにホッとしていたら、
担当の歯科衛生士さんが、
「よかったですね。
虫歯、いやですものね。いつもと違う検査するっていうだけでもちょっと
緊張しますよね」と
声をかけてくれました。
「私も、今度親知らずを抜く予約しましたけど、
やっぱりやめたい……って思っちゃったりしてます」
えっ。
歯科衛生士さんでも、治療は嫌なんだ!
と驚きました。
歯科で働いている人たちは歯科治療は平気なんだろう、と
勝手に思っていました。
でも、考えてみたら当たり前ですよね。
誰だって、嫌なものはいやですよね。
どんな仕事をしていたって。
専門家であったとしても。
「先生」と自分が呼ばれていた経緯もあり、
世の中の「先生」と呼ばれる色々な職業の人も
中身は私たちと変わらない人間、っていう意識はあるのですが、
歯科治療に関しては、その意識が欠けてました。
自分が気づいていないだけで、
知らないうちに「思い込んで」いることが、あるんだなあと
再認識をしました。
いつも丁寧にお話をしてくれる歯科衛生士さんのおかげで、
パニックになりそうな恐怖に耐えながら歯科検診に通うということはなくなりました。
大げさかもしれませんが、あの歯科衛生士さんが
歯医者さんへの根強いマイナスイメージを払拭してくれました。
何週間も前から通院の度に怯えていたことを考えるとすごい進歩です。
そういう意味で、彼女は私を変えてくれました。
辛い時間を減らしてくれました。
きっと、彼女はそんなことには気づいていないと思いますが・・・。
何気ない普段の誰かの仕事が、他の誰かを癒してるのかもしれませんね。
お勤めの皆さん、今週もおつかれさまでした。
いつも、ありがとうございます。
私もがんばってご飯をつくろうと思います。
読んで頂きありがとうございました。
どなたかの心に届きますように。
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