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【イベントレポート】フェムテック トーキョー2023・Z世代のニーズを探る


女性の心身の健康に関する不安や悩み等があらゆるメディアで発信・可視化され比較的オープンになってきた昨今、Z世代も関心を高めつつあるフェムテック・フェムケア領域。

東京ビッグサイトにて10月5日(木)~7日(金)の3日間にわたって開催された「Femtech Tokyo(フェムテック トーキョー)」。女性のライフステージに合わせた「健康」と「活躍」を支援する企業が集結し、フェムテック・フェムケアのサービスや製品を紹介する日本最大の展示会イベントで、約200社が参加。今回は、一般来場者も多数訪れた7日の現場レポートをお送りいたします。

そもそもフェムテックとは

そもそもフェムテックとは何を指すのかよくわからないという人も多いかもしれません。フェムテックとは、Female(女性)とTechnology(テクノロジー)をかけあわせた造語で、「生理・月経」「妊活・妊よう性」「妊娠期・産後」「プレ更年期・更年期」など女性の健康課題をテクノロジーの力で解決するための製品・サービスを指しています。また、テクノロジーにかかわらずさまざまな方法をとるものは、フェムケアと呼ばれています。現在さまざまな業界で注目されており、2025年には世界で5兆円規模の市場になるともいわれています。

2023年テーマは「#広げようフェムテック」

フェムテックやフェムケアのさらなる認知拡大を目指し、会場の入り口にはフォトブースや参加型質問コーナーが設けられていました。



会場は「女性の性の健康全般ゾーン」「生理・月経ゾーン」「妊活・妊よう性ゾーン」「妊娠期・産後ゾーン」「プレ更年期・更年期ゾーン」に分かれており、同時開催の「第1回女性のメンタルヘルスケアEXPO」も行われていました。製薬会社や下着やサプリメントなどの各種メーカー、アプリ開発会社、出版社などさまざまなジャンルの業界の企業のブースが多数出展していました。

Z世代と関係が深い「生理・月経ゾーン」

まずはオンラインの診療や検査に力を入れている「CLINIC FOR」が目に入りました。

ブース内でイベント も行っていました

お話を伺ったところ、CLINIC FORはオンラインによる低用量ピルやアフターピルの処方、子宮頸がんの原因となるHPVを気軽に検査できるオンラインHPV検査キットなど、Z世代と親和性のあるサービスを多数展開しているとのこと。「特に低用量ピルは、認知度こそ高くなってきたものの日本での内服率は2.9%と他国と比べると圧倒的に低いので、普及率を高めることが課題なのでは」とお話していました。また、Z世代は産婦人科に行くことに抵抗がある人も多いため、CLINIC FORのようなオンラインサービスはそういった層が気軽に受診するための一助となりそうです。

低用量ピルを処方するアプリと「smaluna(スマルナ)」

また、低用量ピルを処方するアプリとして認知度の高いsmaluna(スマルナ)も、ピルの普及を目指し、Z世代の女性にも注目してもらえるようロゴや色みを意識したそうです。今回のブースもとてもかわいい作りで、若い女性に人気のマイメロディとコラボしたノベルティを配布していました。

下着メーカー各社も多数出展

下着メーカー各社は、理時にナプキン不要の吸水ショーツや体を冷えから予防するアイテムなどを展開しており、一般の来場者の方の関心を集めていました。生理の周期についてわかりやすく説明するパネルなどを設けるブースも。

雑誌『an-an』によるフェムケア特別号

一方、人気雑誌『an-an』の出展ブースでは、1冊丸ごと「私たちのフェムケア2023」を特集した『an-an 特別編集』(特別号)が販売されていました。お話を伺ったところ、「an-anでは以前から女性特有の体の悩みや健康にまつわる情報を発信していましたが、あらためて正しい知識を知ってもらいたい」とのこと。若い女性のライフスタイルに寄り添い支持を集めてきたan-anだからこそ、その重要性が多くの人に届くきっかけになると感じました。

一般来場者の声は?

1人で来場したという23歳の女性にお話をお聞きしてみました。
「フェムケアなどに興味があるものの、普段の買い物ではどういうところに行けば良いかわからないので今日来てみました。どんなものがあるのか一気にわかるし実際に商品を触れたりもできてよかった」

フェムテック、フェムケアという言葉と概念は普及しても、実際のアイテムについて詳しく知ったり買ったりする機会がないという課題が見えてきました。今回の取材でも、フェムテック、フェムケアに興味がある人が大変多いことがわかったので、今後はアイテムや購入チャネルに関する情報発信に力を入れると、購入につながるのではないでしょうか?

まとめ

今回フェムテック トーキョーを訪れたことで気づいた、フェムテック、フェムケアで解決していきたいZ世代にかかわる課題をまとめてみました。

①    低用量ピルの普及
②    病院を訪れることに抵抗がある人に向けた各種オンラインサービスの充実
③    生理の貧困の解消
④    正しい知識の発信、啓蒙

女性特有の身体の悩みは、年代問わずすべての女性にとって他人事ではありません。キャリアやライフスタイルにも影響してくることなので、早い時期から正しい知識を身に着けておくことが重要といえるでしょう。フェムテック、フェムケアの商品やサービスをうまく活用しながら自分の身体を大切にする機運は今後も高まってくるのではないでしょうか。今後の各業界、各社の動きにも注目です。

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