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新NISAの投資信託:経費率に過剰にこだわりすぎなくても、、、
2024年から新NISA口座が始まりましたね。投資信託を選ぶ上で、経費率を低くおさせることは重要ですが、過剰に拘りすぎなくてもいいと思ったので、今日の記事を書きます。
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お金の流れが変わる
新NISA口座に向けて、家庭に眠っている現金を、投資してもらおうと各証券会社、銀行が躍起になってプロモーションをかけています。お金の流れが大きく変わることでしょう。
それに伴い、投資信託の品揃えが、充実しました。2023年は良い投資信託がとても多く発売されたんです。
これまでも定期的に投資信託は発売されていましたが、そのほとんどがボッタクリファンドでした。ここで使用したボッタクリとは、詐欺ではないのですが、高い経費率が掛けられているものを揶揄して表記しました。
金融庁が承認しているアクティブファンドなので、法律的には問題はないのですが、消費者(投資家)目線ではないものばかりでした。
先日亡くなられた経済評論家 山崎元さんは一貫して、「投資信託の99%はゴミ」と言い続けていました。
新NISAが開始するにあたり、投資できるファンドが厳選されたことが影響したのか? それとも、ビギナー投資家を増やしたい金融業界が本腰を入れたのか? いづれにしろ、経費率の低いインデックスファンドの品揃えが充実したんです。
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ETFから投資信託へ
私は、約30年の投資歴があります。いままで、投資信託はほとんど買わず、ETFばかりで運用していました。その理由は、経費率(信託報酬率や購入手数料など)がETFの方が圧倒的に良かったからです。
その理由は、下記記事に書いてあります。
参考記事→ 投資信託より、ETF中心に買う理由
わたしは、退職して定期収入がなくなったことで、確定申告で外国二重課税の還付制度が使えなくなったことに加え、前述のすばらしい投資信託が充実したことで、ETFから投資信託に資金移動した2023年でした。
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最近の金融系YouTuberに物申す
金融勉強会のファシリテーター用の知識補完のために、セミナーやYouTubeから手当たり次第に、情報収集しています。
証券会社や銀行などのセミナーはコンプライアンスを遵守していて、面白くはないのですが、手堅い情報が得られます。
一方、金融素人YouTuberは話が面白く、聞きやすいし、テロップも工夫され画面が見やすいのですが、残念ながら投資経験が少なすぎて、薄っぺらくて、再生数稼ぎが目立ちます。
オリジナリティはほとんどなく、経済評論家のコメントをコピペしているだけや、SBI証券、楽天証券のホームページを解説しているだけの、何の捻りのないものが目立ちます。
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投資信託の経費率
今日の記事で取り上げたい話題は、経費率です。この経費率は、購入手数料、信託報酬料、信託財産留保料、隠れコストなどに分けることができます。YouTuberたちが、こぞって「経費率に注目!」と、大号令をかけている映像を目にします。
とてもいいことです。
ですが、低価格競争で、十分過ぎるほど、消費者(投資家)目線で努力をいただき、優良ファンドばかりになりました。
まだ世の中には、たくさんのボッタクリファンドが多数存在しますが、セミナーやYouTubeで情報収集している、にわか投資家が、ボッタクリファンドを買わされることは無くなったことでしょう。
そういった意味からすると、再生回数稼ぎと言われているYouTuberでも、その存在は素晴らしい大貢献です。しかし、最近はこの経費率あらそいで、0.1%前後の違いを、声高らかに、話し続けている傾向を感じます。
わたしは、
・もうどれでも同じだよ
・みんな安いよ
・もっと違うことに意識を向けようよ
と感じています。
本当に経費率の違いが、すでに差がないのかどうか、手作業でエクセル(スプレッドシート)を作ってみましたので、公開します。
以前の同様の記事で、投資額が5,000万円の場合で、下記記事に書いています
参考記事→ 投資信託より、ETF中心に買う理由
友人たちから、例題の金額が大き過ぎると言われたので、今回は100万円でシミュレーションしました。
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0.05%と0.1%に大差ないよ
グラフの設定条件
・初期投資金額:100万円
・積立、スポット購入設定:なし
・利回り:7%
・変数:経費率
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経費率の違いによる結果(グラフ表示)
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経費率の違いによる結果(RawData)
今回、十分なほど信託報酬料が下がっているので、①0.05%と②0.1%は気にしなくていいですよってことを言いたくて、このグラフを作りました。
仮に、10年の投資期間で、①0.05%と②0.1%を比較すると、①1,957,978円-②1,948,844=差額9,134円です。
もし、この金額を大きいと見るなら、①0.05%に拘ることもありかもしれませんが、わたし個人的には、そのために、証券会社間を移管したり、既存の投資信託を解約して買い直したりするほどの手間をかけることなのか、疑問があったので、わたしは、そのような行動はしません。
今回100万円でシミュレーションしましたが、投資金額が大きい方や、わずかな経費率を極限をきわめたい方はETF:VTIの経費率は0.03%です。投資信託よりさらに利回りは上がります。毎日の値動きをチェックしたい方も、ETFの方をお勧めします。
一般的には、投資を始めたばかりの方には、投資信託をお勧めします。楽天証券やSBI証券とクレジットカードを組み合わせると、さらに、経費率は投資家有利に働きます。多くの投資系YouTuberが、細かいシミュレーションをわかりやすく解説されているので、参考になると思います。
今回気になったのは、投資信託がどんな内容で、どのように運用されているのか知識がないまま、「0.05%が素晴らしい、0.1%の投資信託は大損だぞ」、と煽るYouTuberが散見されたので、真面目に表計算をしてみました。
何か、みなさまの参考になれば光栄です。
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ファンドラップに気をつけろ
急激に視聴回数が伸びている記事があります。
プロ運用にすべてお任せファンドラップ:高い手数料に気づいてますか?
この内容は、ファンドラップは、高い手数料が取られているので、気をつけてねって内容です。事実に基づいて書いてますので、問題ないとは思いますが、大和証券の営業パーソンが読んでいたら、嫌な気持ちがするだろうな〜とは感じながら書きました。
通常のアメリカS&P500INDEXファンドでは、最近10年間は7%で伸びていました。1,000万円が7%で運用されると10年後は、1,967万円になります。
一方、手数料で4%を取られると、運用金利は3%になります。ファンドラップで1,000万円が3%で運用されると10年後は、1,344万円になります。
1,967万円-1,344万円=623万円
623万円も手数料を払っているんですよ。1,000万円が1,344万円になって喜んでいてはいけませんよ。
プロ運用にすべてお任せファンドラップ:高い手数料に気づいてますか?
前述のシミュレーションの経費率④4%が、この大和ファンドラップに相当します。この記事を読んだ後に、リンク先を見ると、理解度が上がると思いますので、勉強用の参考になれば嬉しいです。
最後に、今回のシミュレーションの詳細結果を下記に貼り付けておきます。
投資信託やETF購入の参考になると思います。
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・初期投資金額:100万円
・積立、スポット購入設定:なし
・利回り:7%
・変数:経費率
初期設定金額と利回り率は、自由に数値を変更することで、いろんな結果を見て楽しむことができます。なお、表計算ソフトはGoogleスプレッドシートを使用し、FV関数を使って複利計算をしています。
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