失敗による「負の連鎖」を断ち切る方法
スラムダンク内において、高校バスケット界ナンバーワンプレーヤーと言われる沢北栄治君。
彼のプレーは、1対1になれば大学生でもかなう人はいないかもとさえ言われています。(山王監督堂本氏の想像)
その彼が試合終盤集中力を切らして、ミスをします。
なぜ彼は集中力を切らしてしまったのか?
沢北君の集中力を取り戻すために、彼自身はどうすべきだったのか?
また堂本監督は何をすれば良かったのか?
を考えてみたいと思います。
沢北君の集中力を奪った花道のプレー
沢北君は流川君をあっさりとドリブルで抜き去ります。
次の瞬間、美紀男君の陰から花道君がいきなり出てきます。
当然2人はぶつかります。
結果はオフェンスチャージング、つまり沢北君のファールと判断されます。
【SLUM DANK新装再編版19巻P161〜P167】
おそらく沢北君は「流川を抜いた、これでまた2点追加した!!」と思ったはずです。
それが、得点できずになぜか自分がファールをもらっているという想定外の結果になりました。
その後、彼は花道のことが気になりだし、集中力を欠いたプレーが出ます。
花道がどこにいるのか探したり、
【SLUM DANK新装再編版19巻P178】
マークを振り切ったはずなのに得意のシュートを外したりします。
【SLUM DANK新装再編版19巻P192〜P193】
山王工業の絶対的エースであるがゆえに、終盤にきての集中力を欠いたプレーは確実にチーム全体の歯車を狂わせたでしょう。
沢北君の中で起きている事を、次の章で考えてみたいと思います。
予想外のアクシデントが起きると・・・
皆さんは高校野球などのスポーツを見ていて、不思議に思うことはないですか?
・9回ツーアウトから、急にエラーなどが絡んで逆転負けをしてしまう
・それまで1人のランナーも出さないナイスピッチングをしているのに、四球1つ出した途端に打たれ出して失点、そのまま負け投手になる
また仕事をしている時に以下の経験はありませんか?
・一つのミスで怒られたことがきっかけで、ミスが怖くなって、仕事が途端に遅くなった
・順調に仕事が進んでいたので、急に取引先やお客さんに呼び出されて、リズムが狂ってしまった
なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか?
失敗の連鎖反応は、脳の「統一・一貫性」が悪さをしているために起こる。一度失敗したと思うと、脳はその失敗体験にひきずられやすくなる。同じ失敗を重ねるほど、「統一・一貫性」の本能は強く働き、どんどん抜け出せなくなってしまう。
【〈解決する脳の力ー無理難題の解決原理と80の方法〉より】
それまではうまくいっていたことでも、「失敗した」という新しい情報にひっぱられて、失敗をさらに引き起こしてしまうのです。
サッカーなどで最初の決定的なシュートを外してしまうと、その後のチャンスもことごとく外してしまう理由の一つには、こういったことに原因があると言えます。
沢北君、堂本監督はどうすべきだったのか?
花道君のことがちらつき、リズムを崩してしまった沢北君は、どのようにして立て直せばいいのでしょうか?
また堂本監督は、どうすればよかったでしょうか?
テツ:湘北の方が100倍タイムアウトが欲しいとこですよ
(中略)
ここで取ったら向こうが喜ぶ
あいつら自分達で何とかしますよ
今までもそうだったように
【SLUM DANK新装再編版19巻P196】
タイムアウトを取らない堂本監督の考えを、沢北テツさんは代弁します。
おそらくこれがバスケットにおいて常識的な考えなのかもしれません。
しかし堂本監督の立場から言うなら、沢北君を少し交代させるか、早めにタイムアウトをとって流れを断ち切るべきだったと思います。
失敗の連鎖が起きている時は、意図的に「統一・一貫性」外すのが有効。その場を離れて風景を眺めたり、空を見上げて飛んでいる鳥の数を数えたりして、まったく違うことを考えるようにする。
【〈なぜ「あと1アウト」から逆転されるのか〉より】
失敗の連鎖が起きている時は、脳はどうしても「失敗」にひっぱられます。
湘北の体力を回復させてしまうこと、つまり他人に意識を向けるより、山王のリズムを取り戻すこと、つまり自分達に意識を向けるべきではなかったかと思います。
自分達のリズムやペースでやれば、高校で一番強いのは、やはり地力経験がある山王工業でしょうから。
沢北君なら、「一度攻撃参加をやめてプレーから離れる」と言うことも大事になってきます。
一旦その場から離れることで、負の「統一・一貫性」を外し、またいつも通りのプレーができるようになると思います。
⭐︎失敗の連鎖から逃れることは、私達一般のサラリーマンや自営業者にも必要なはずです。
もし部下が失敗続きでいるなら、
・あえて別の仕事をさせてみる
・思い切って早めに休ませる
ということが大事になってきます。
もし自分自身が失敗続きなら、
・休憩時間は外に出て新鮮な空気を吸う
・トイレに行って、気分転換する
など失敗の場所、空間から離れることによってリズムを立て直すことが必要です。
頭の片隅に置いていただいて、ミスが続いた時に試していただきたいです。
今年はこれが最後の投稿になります。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
来年もよろしくお願いします。
☆【クリリンに学ぶメンタル術】絶賛発売中!!
ドラゴンボールの描写や登場人物の描写から、メンタルのことを解説した教科書になっています。