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引き立て役になる

今まで主力で頑張ってきたはずなのに、若手にその立場を譲らなければいけなくなった。

実績のある人ほど、真面目な人ほど辛いなというところです。

湘北主将の赤木君、陵南主将の魚住君も大事な試合中に窮地に立たされた時、チームの勝利のために主力から引き立て役に「変わったシーンがあります。

今日はその場面を見ていきます。


自分は何をすべきなのか!?


インターハイ2回戦、湘北VS山王工業との試合は後半に入り、徐々に湘北と山王との実力差、経験の差が出てきます。

その中でも苦しかったのが、湘北主将の赤木君が相手チームの河田君に全く歯が立たないこと。

今まで苦しい場面でも、赤木君は相手の主力選手としっかりと勝負できていただけに、湘北にとってもショックは大きかったです。

そんな時、今までライバルとして戦ってきた魚住君がコートに現れます。

しかも寿司職人の服を着て、かつらむきを披露します。


魚住:華麗な技を持つ河田は鯛・・・

   お前に華麗なんて言葉が似合うと思うか 赤木

   お前は鰈(カレイ)だ

   泥にまみれろよ

   (中略)

安西:(魚住君・・・・・・

   ありがとう・・・・・・)

   (中略)

   それを細く切っていくと刺身のツマができる

   引き立て役だ

赤木:(オレが河田に勝てなければ湘北は負けると思って

   いた・・・・・・・・・・・・・・・

   オレがダメでもあいつらがいる

   あいつらの才能を発揮させてやればいい

   そのために体を張れるのはオレしかいない)

【SLUM DANK新装再編版18巻P93〜P103】


今まで主力として先頭で頑張ってきた赤木君は、河田君との力の差を受け入れ、裏方に徹することを誓います。

ではなぜ、魚住君がこのようなアドバイスができたのか?

それは魚住君もインターハイ予選湘北との最終試合で、赤木君との力の差を受け入れ、仙道を含め他の選手が動きやすくするために、裏方に徹します。

それまで赤木君に勝つことを考えて1年間練習を頑張ってきた魚住君にとって本当に辛かったと思います。

しかしチームの勝利のため、自分の立場を理解して、献身的なプレーを実行します。

こういった自分自身の経験から、魚住君は赤木君に伝えたのです。


脳の仕組みと三日坊主


これが練習だったなら、赤木君は河田君を超えることを意識してプレーすることは大事です。

ですが、これは試合です。

しかもトーナメントです。

負けたら終わりなのです。

一番優先すべきはチームの勝利です。

勝利のために、一人一人が何をすべきなのか?なのです。


私たちも自分の力や仕事を否定されることは辛いです。

なぜ辛くなるのかというと、脳には自分を守ろうと過剰反応を起こしがちになるからです。

「自分を守ろう」という自己保存のクセが働くことで、なかなか変わることができないのです。

だから三日坊主という言葉もここから来ているのでしょう。


もし赤木君が頑なに「オレが河田に勝てなければ湘北は負ける」という考えを捨てることができなかったら、湘北は負けていたはずです。

しかしチームの勝利のために、自分の考えを捨てることができました。


自分を変えることによって


赤木君も魚住君も主将でありながら、試合中に新たな境地に達しました。

湘北は最後は山王工業に逆転勝ちしました。

陵南は勝てはしなかったものの、魚住君自身は視野がとても広くなりました。


ここで大事なのは、チームの目的です。

皆様も何らかの組織に属されていらっしゃると思います。

組織(チーム)のために一生懸命頑張っていらっしゃるでしょう。

ここで、組織(チーム)のために自分を変えることができるか?


特に実績を積んでいらっしゃる方、素晴らしい肩書きがある方ほど、変えるのは難しいと思います。

そんな時は、是非組織(チーム)の目的を今一度思い出していただきたいです。

その目的のために変えなければいけないのは何か?

変えなければいけないのがあれば、脳の自己保存の特性に反して、変えていただきたいです。

変えることで、新しい境地に達し、自分もチームもそれまでよりはるかに成長していると思います。



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