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アダプテーションとして生まれた小川洋子作品

先日、ジュンク堂書店池袋本店で開催された対談を観覧しに行って来ました。作家の小川洋子さんとアニメーターの山村浩二さんのお話です。観衆は超満員でした。

興味深かったのは、小川さんが最初にあらすじだけを山村さんに渡して、それを山村さんが作画し、大勢の人の手でVRアニメ映画化され、それを元にして、小川さんが小説を書かれたということです。オタワ映画祭2023VR部門最優秀賞・アヌシー映画祭2024公式出品で、世界を席巻したVRアニメ映画から生まれた「もう一つの物語」なのです。

アダプテーションとかに興味を持っているので、絶好の機会でした。会場で小説を買ってお二人にサインしてもらいました。それを少しだけ読んで、昨日VRアニメ映画を観に行って来ました。VRの世界は初めてでした。進み方がよく分からなくて、同じ場面がずっと続いた時は、何の拷問?と思いましたが、それは自分で色々想像力を働かせ解決すべきことだったのです。係の人にヒントをもらいました。

作品は抽象化されており、ここから色々なインスピレーションが浮かんでくるなと思いました。夕方から小説を読み始めました。あの映像から、よくこのような小説を書けたなと思います。普通に別の小説を書いているようでした。

山村さんに伝えたあらすじというものがどんなものだったのか気になります。創作の始まりは小川洋子さんであり、VRアニメ映画のクレジットでも、原作小川洋子となっていました。

作品のタイトルは、『耳に棲むもの』です。 不思議なお話です。

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