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海乃 眞

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短編置き場
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記事一覧

偽善 ⑪

 ここで言葉を切り、下を向いた。続きを待ちきれず私から訊ねる。 「何が違ったんですか?」 …

偽善 ⑩

【一月末 刑務所へ】    年が明けて暫く経ってから、私は自分から葉山に会いに行った。  …

偽善 ⑨

【十二月十七日、ハーレムナイト】    翌日、向かったのは隣の市の繁華街だ。  ここには「…

偽善 ⑧

【十二月十六日 工業団地へ】    部屋の中に足を踏み入れた瞬間、澱んだ饐えた臭いが鼻をつ…

偽善 ⑦

「面倒な男だな、お前は」  ビール片手に長谷が鼻を鳴らしてそう溢す。 「すまん。さすがに編…

偽善 ⑥

【鈴木透の友人】   「ああ、あいつ、この街に来る前は関西にいたんですよ。俺の知り合いのお…

偽善 ⑤

【十一月四日 佐藤甚助刑事 二回目】   「だからねぇ、事件としてはもう解決しとるんですわ。これ以上ほじくっても鼻くそも出やしませんよ」  押し掛けた私を相手に、佐藤さんは呆れた顔で言い放つ。  今回は自宅ではなく警察署の近くで待ち合わせした。佐藤さんは退職前の事務手続きや事後処理で出勤していたので、その帰りの時間を見計らって私から訪ねて行った。  近くのコンビニに入り、コーヒーを買って人気のない公園のベンチに座って話を聞く。 「ちょっとだけですよ」  そう言いながらも応じて

偽善 ④

【被害者の父、鈴木透】    同じ外観の建物が並ぶ一角、細い道路の片隅に小さな公園があって…

偽善 ③

【十一月二日 製鉄工場と団地へ】    鈴木氏との約束の時間は十四時。  私は出社後すぐに…

偽善 ②

【十月三十日 佐藤甚助刑事、自宅にて】   「仕事柄、いろんな人間を見てきましたが、あんな…

偽善 ①

【鈴木愛美ちゃん殺人事件、犯人は小児性愛者だったのか!?】  犯人は遺体発見から僅か四日…