よりはやく眠りに落ちるには──適切な方法

translated by Kaisei Iwagami from (https://www.cnn.com/2021/10/03/health/fall-asleep-faster-wellness/index.html)

 夢にまでみていた枕に顔を埋めた瞬間、眠りに落ちていないだろうか? 眠りの国へとすみやかに落ちて行くのは全てからの解放のように思えるかもしれないが、これは良質な睡眠が取れていない証拠だ。
「しっかりと休まれている方はすぐ眠りに落ちたりはしません」ハーバード大学医学部睡眠医学科で教授を務める睡眠の専門家レベッカ・ロビン氏は言う
「良質な睡眠をとるには15分はかかります。単なる眠るという行為とは異なり、疲れ果てているときに眠れずイライラすることもありえます」とロビン氏は続けた。
「それなのに、忍耐強く眠りを待っていると、眠れないことにストレス感じてしまい、ますます眠りに落ちるタイミングを見失ってしまうのです」と彼女は言う。

無意識に落ちるのではなく、漂うように

 ふとうたた寝に落ちてしまう人は深刻な睡眠不足の兆候があり、身体的にも精神的にも健康に害を与えかねない。
 『成功へと続く睡眠法!』(未邦訳)の共同著者でもあるロビン氏はそのような状態を食糧不足である状態と同じであると考えている。「空腹状態が続けば、次の食事を瞬く間に平らげてしまうでしょうが、健康状態にある人ならば、今すぐにでも食事を必要としている人と同じようにがっつくようなことはしないでしょう」と彼女は説明した。
 アメリカ疾病予防管理センターによると、成人は1日に少なくとも7時間の睡眠を必要だが、小学生は9時間から12時間、10代は8時間から10時間の睡眠時間が必要とされている。
 毎晩じゅうぶんな睡眠時間を確保できたとしたらどうなるのだろうか?次第に、日中は疲れやすくなってしまうのと同時に、すぐさま寝入るようになってしまう。しかしこれは睡眠の質が脅かされている兆しの可能性がある。
 「夜間に中途覚醒がたびたび起こると睡眠の質が下がってしまいます」南カルフォルニア大学ケック医学部臨床医療科で助教授を務め、睡眠を専門とするラジャ・ダスグプタ博士は言う。
 このような夜間に起こる中途覚醒はデルタ睡眠としても知られている徐波睡眠というような深い睡眠段階へ、もしくはREM睡眠へと移る能力に影響を及ぼし、体調や注意力を保つ上でこれらの睡眠段階が必要です」とダスグプタ氏は話した。
 レム睡眠下で、私たちは夢を見る──そして知識や経験が整理され記憶として蓄えられる。その上、最近の研究で、レム睡眠の状態が短いと全体的に死亡リスクが大きく上昇することが判明した。
 徐波睡眠時、デルタ睡眠時に脳は休みながら、毒素を取り除いている。──家の掃除と同じようなもので身体を癒し新陳代謝を可能にする。
米国睡眠医学会から引用すると『深い睡眠の時間を増やすためにもっとも大切なのは、総睡眠時間を十分に確保することだ』
 夜間の睡眠を妨げる元凶として──ときには知ることもないまま──一般的に広く知られているのは閉塞性睡眠時無呼吸症候群であり、症状として睡眠時にいびき、息詰まり、喘ぎ、無呼吸が一定間隔で起こる。アメリカでは2500万人もの人々がこのような睡眠時の無呼吸状態に困っていると国際健康睡眠プロジェクトの役員は言う。
クリーブランドクリニックによれば、むずむず脚症候群は、睡眠中に脚に痛みがはしったり、じっとしていられなくなる状態のことを指し、この症候群もまた睡眠の質に影響をもたらしかねない。例を挙げれば、慢性的な痛み、肥満、心臓病、喘息や胃食堂逆流症なども同様に悪化させる恐れがある。薬物治療も睡眠の質に影響を及ぼす可能性があり、同様にしてさまざまな精神的健康にも影響が見られる。
「つまり重要なことはもし質の良い睡眠が取れていないのであれば、何が原因なのか調べるためにも睡眠の専門家に相談するべきだと言うことです」ダスグプタ氏はこう締めくくった。

はやく眠りに落ちるには

 さて現実的な疑問が浮かぶ。──すぐさま眠りにつくのは健全とは言えない、そしてたとえ眠るのに10分や20分かかったとしても心配いらない──では寝つきがあまりにも悪い夜はどうすればいいのだろうか

 起きなさい!
もし20分経っても眠れないようなら、ベッドから出てほの暗い部屋へと移り、再びうとうとし始めるまで、なにか心落ち着くようなことをしましょう。夜中に目が覚めて眠れないときにも有効な手段です」ダスグプタ氏は言う。
 ロビン氏もダスグプタ氏に賛同している「寝返りはうたないでください──どんな状況であれ、眠るのが困難で寝返りを繰り返しているのなら、ベッドから離れてみてください」
 眠っていなくとも、目を瞑ってベッドに横たわっていればリフレッシュになると考えている人もいる。それは単なる幻想である。ロビン氏はこう話す「もしベッドに留まれば、次第にベッドと眠れないことを関連付けて考えるようになってしまいます」

ベッドは神聖な場所とする。ダスグプタ氏によると、寝室を寝る場所であり性行為を行う場所に過ぎないと認識することが、枕に頭を乗せた瞬間に眠りにつくようになる方法だ。
「寝室に入ったとき、脳が何をするべきか明確に理解していれば、よりはやく眠りに落ちる可能性が上がります」
 つまり、ベッドの上で仕事をしない、テレビを見ない、そして電話をしない、携帯をいじらないということだ。電子機器から発せられるブルーライトは脳に眠るのではなく、起きるよう促すのだ。

巣づくりに勤しむ。眠るまでの手順を整えることで、脳が眠る態勢にはいるよう訓練を続けよう。部屋は暗く涼しい状態を保つ。科学的に約15℃から20℃くらいの少し涼しいくらいの部屋の方よく眠れることが証明されている。

寝るまでのルーティンを整える。歯を磨いて、心地よい温かいお風呂やシャワーを浴びてから、薄明かりの中本を読んだり、落ち着く音楽を聴いて過ごす。ヨガや軽めなストレッチをしてもいいが、気分が高まるようなことをしてはいけない。脳にくつろぐよう促している最中なのだ。
疾病管理予防センターは同じ時間に寝床につき同じ時間に起きるよう助言している。たとえ週末だとしても、休みの日だとしても。

渦巻く思考を落ち着かせる。大勢にとって、これが眠りにつく上で一番難しい。今日びこの狂った世界はストレスと不安で溢れかえっており、やらなかった事やこれからしなければならない事などに頭を悩ますのをやめるのはときに大変だ。
 瞑想に取り組むことが睡眠能力を向上させると実証された方法のひとつだとロビン氏は言う。
「瞑想とはさまざまな思考に意識を集中させることなく鎮めるもので、続けるうちに、瞑想の状態を身につけることで眠る能力に転用することができるようになるのです」と彼女は続けた。

「不安リスト」を枕元に。思考を落ち着かせる他の方法としてメモ帳を枕元に用意しておいて、心配事を書き出すことだ。
 ロビン氏は「寝る前に頭に思い浮かんだことを書き出す習慣を始めてみてください。些細なことから重大なものまでなんでもいいのでメモ帳に書き出すのです。この時間からできることなどないということを再確認して、次の日に行いましょう」と話す。

呼吸を整える。「深く長い呼吸は『let go』や『I’m at peace』といった意味のようなマントラ〔日本で言うお経のようなもの〕と同じように急かしい思考を落ち着かせ、眠りにつく上で役立ちます」とロビン氏は話してくれた。
 専門家が推奨する深呼吸のやり方はさまざまだが、「一番いい方法はシックスイン・シックスアウトです」と対ストレスの専門家シンシア・アークウィル博士は以前のインタビューで話していた。
 ゆっくりと6秒を数えながら、お腹に手を当てて空気で満たされていくことを感じながら深呼吸を行う。米国ストレス研究所が出版している『Contentment』という雑誌の編集者でもあるアークウィル氏は教えてくれた。
 「行おうとしている呼吸法は腹式呼吸と呼ばれています。緊張をほぐすために横隔膜を下げてお腹を膨らませて空気をそこに運びます」と彼女は言う。
 同じようにゆっくりと6秒数えながら空気を吐きだす。その状態ですこし息を止めてから繰り返す。身体の強張りが取れたと感じるまで繰り返してみてください、と彼女は付け加えた。

夢を諦めないで。脳が自動的にベッドつまり睡眠だと思い込むまで、これらの習慣を続けてみよう。そうすれば最後には現状よりもはやく眠りにつくという夢が叶うかもしれない──しかも健康的な方法で。


訳後感──
 そこまで難しい内容ではなかったけれど、団体名の和名探し、マントラの適語などあまりにもニッチな団体、用語だったため苦労しました。なにか違和感のある文面があれば是非教えてください。

 自主学習として訳したけどもしっかりと期限を設けないとだらけてしまうよねしかし。そういった自己管理も課題だ。

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