#4 Cさんの事例:箱庭で自分のこころと対話する方法
人生には悩みや問題がつきものです。
中には、「自問自答」を繰り返しながら自分自身と向き合おうとする人もいます。
しかし、思考や言葉の迷宮に迷い込んでしまって答えを見つけるどころかかえって混乱してしまうことも少なくありません。
そんな時に問題に適した相談相手がいれば話を聞いてもらうと良いのかもしれません。
ですが、相手との相性が合わなければ自問自答がさらに加速し、内向きの思考に陥ってしまうこともあります。
そんな時、箱庭を使えば自分自身との対話をスムーズに進めることができます。
今回は箱庭で「自分と対話する」方法についてご紹介します。
Cさんの箱庭:「自分と対話する」
前回と同じくCさんの「モラハラ気味の夫に疲れ、離婚するかどうかを悩んでいる。」というケースについて見ていきましょう。
前回の記事はこちら
Cさんの箱庭は、今の状況と気持ちを表現しています。
離婚をするかどうかで揺れ動く気持ちが左右に分かれた形で、箱庭の中でイメージとして現れているのかもしれません。
箱庭はミニチュアの目線に入ることでファンタジーの世界へと足を踏み入れることができます。
ミニチュア同士で声を掛け合ったり、その世界の中で独り言をつぶやいたりすることができるのです。
箱庭のイメージの中のミニチュアが話すことが意外な気付きに繋がることが多くあります。
それではCさんの箱庭の中のミニチュア目線に入ってみましょう。
あなたも箱庭に配置されたミニチュア—男性(夫)、犬(ペット)、モアイ像などからCさんへ、どのような声かけをしているか想像してみてください。
Cさんには、
夫からCさんに「状況を整理しようよ。落ち着いてゆっくり話し合おう。」と声をかけているように見えました。
犬は「いつも一緒にそばにいるよ。安心してね。」と言ってくれています。
モアイ像は全体を見守る存在として「冷静に、今の状況や全体を俯瞰して考えてみよう。」というアドバイスをしているように感じました。
このミニチュアからの声かけを聞いてCさんは
「違う角度で箱庭を見てみると恐竜や猛獣たちが私の抱えている問題だと分かりました。
箱庭を置いたときは、兵隊も問題だと感じていましたがこの目線だと問題から私達を守る夫の言葉だと感じます。」
「夫の言葉を小言や叱責だと感じていましたが、私を問題から守るための言葉だったことに気付きました。
彼の言い方や態度は今も気に入りませんが、話す内容は私に対する保護や愛情だったことに気が付きました。」
このようにイメージの世界で対話をすることで
Cさんのように予期せぬ「気づき」を得ることがあります。
箱庭の中での対話でCさんはさまざまな視点から問題を考えるきっかけを得ることができました。
箱庭では人間や動物だけでなく
家や木など現実では対話できない相手とも会話ができるのが魅力です。
自分との対話をイメージの世界で進めることで、自分自身について、また問題についての新たな理解や解決策に至ることができます。
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