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【練塾ダイジェスト】胃風湯と厥陰病
今回あつかうのは「胃風湯」です。
処方内容は、当帰・芍薬・川芎・人参・白朮・茯苓・桂枝・粟の8つです。
「胃風湯」は肝虚陽虚寒証で、下痢するときに用います。
潰瘍性大腸炎やクローン病といった病名がつくこともあります。
血も栄気も虚して、中焦以下が冷え、上焦には熱があるものに用います。
『傷寒論』でいうところの「厥陰病」と同じ病理です。
人体の陽気は上半身に多く、陰気は下半身に多くあります。
この陰陽の気は絶えず交流しています。
「厥陰病」になると、陽気は上半身にだけ集まり、陰気は下半身に多くなって交流しなくなります。
陽気が多いと熱症状をあらわし、陰気が多いと寒症状をあらわします。
「少陰病」から「厥陰病」へと病気が進行するうちに、下焦の冷えが中焦にまで及んでいます。
この虚寒が下痢を引き起こしていて、「胃風湯」が主に目的とするのはこの虚寒です。
この中焦・下焦の虚寒を治すために大事なのが、当帰と人参の組み合わせです。
「温経湯」や「烏梅丸」も、「胃風湯」と同じように「厥陰病」の代表的な処方です。
この二つにも当帰と人参は入っていますが、違いもあります。
「温経湯」には、肺の津液の虚から生じる虚熱を治す麦門冬が入っています。
「烏梅丸」には、黄連や黄柏といった苦味の薬が入っています。
同じ「厥陰病」に用いる薬ですが、上焦の熱の性質や量によって、使い分けのポイントがあります。
話者:大上勝行
編集:大上真悟
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