書籍「プロダクトマネジメント」を読んでみて
「プロダクトマネジメント - ビルドトラップを避け顧客に価値を届ける」を読みました。あらすじや読んでみた感想などをまとめていきます。
本書は、顧客に価値を届けるプロダクトを作り出すプロダクトマネジメントについて学ぶ本です。プロダクトマネジメントを理解することで、企業がビジネス目標を達成しながら、顧客の課題を解決する方法を解説します。
※以降、プロダクトマネージャーを「PdM」と表記していきます
なぜこの書籍を手に取ったのか?
理由は2つあります。
1つ目はTwitterのタイムライン上でこの書籍がとても好評であったこと。2つ目は「PdMの役割ってなんだろう?」を改めて知りたかったからです。
私のデザインチームは、PdMチームと同じ課に属しています。私の上司はシニアPdM 兼 シニアマネージャーとして、デザインチーム・PdMチームを両方管轄しています。つまりデザイナーとPdMが隣り合わせで、密に連携を取りながら仕事をしています。
なので私自身、PdMの役割やどんな仕事をしているかをすぐ隣で見てきており、充分認識しているつもりです。
一方で、PdMの役割や求められていることが、会社や組織によってかなり異なる・・・という話も聞きます。
私の組織ではPdMはエンジニアの部門に属していますが、ビジネス側に属している組織もあれば、完全に独立している組織もあるかもしれません。
役割や求められていること・バックボーンが組織によって異なるPdMについて、改めて理解してみたくなったのが大きな理由です。
この書籍を読んでみて
書籍のなかでは「アウトカム」と「なぜ」という2つのキーワードが繰り返し登場します。
成果をアウトプット(プロダクト数・機能数・リリース回数など)ではなく、アウトカム(プロダクトを通じて顧客の問題を解決したという結果)で計測する。アウトプットにフォーカスしてしまうと、リリースすることがゴールになってしまう。プロダクトを通じ顧客やユーザーにどれだけ価値を届けられるかにフォーカスしようと述べられています。
そして、プロダクトマネージャーは「なぜ」に責任をもつ役割だと述べられています。なぜこれを作るのか?なぜ問題が起こっているのか?ソリューションやアイデアに固執するのではなく、「なぜ」から外れないようにしていれば適切なものを作れる可能性が高くなるとのことです。
書籍では「マーケットリー」という架空の会社を題材に、プロダクトマネジメントの役割やプロセス、プロダクトドリブンな組織などについて、ストーリー仕立てで書かれています。
私は多くの翻訳本に対して、ちょっとした読みづらさを感じることが多いのですが、ストーリー仕立てで書かれていることもあって、とても読みやすかったです。
プロダクトマネジメントに興味のある方はもちろん、プロダクト開発に関わる多くの方に読んでいただきたい一冊です。
書籍のなかで気になったフレーズ5選
最後に、書籍のなかで特に心に残ったフレーズを5つほどピックアップさせてください。
なぜそのプロダクトを作っているのか、どんなアウトカムを生み出すのかといった点をチームが忘れないようにするのもプロダクトマネージャーの仕事です。
私の仕事は価値を生み出すことであって、自分のアイデアを形にすることではありません。
プロジェクトマネージャーは「いつ」に責任を持ちます。プロダクトマネージャーは「なぜ」に責任を持ちます。なぜこれを作るのか?どうやって顧客に価値を届けるのか?ビジネス目標を達成する上でどう役に立つのか?
優れたプロダクトマネージャーは、顧客の具体的な問題を解決する視点を保ちつつ、ビジネス目標を達成するプロダクトを開発したり、最適化したりする方法を見つけられます。
私たちは問題が何なのかがわからなくても、問題を解決しようとしがちです。私たちの脳はソリューションを考えるのが大好きなのです。ですが、これはビジネスにとってはリスクです。問題を根本的に理解していなければ、適切なソリューションを意図して作ることはできません。