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「佐藤可士和展」に行ってきました

2021年5月10日まで東京・国立新美術館で開催中の「佐藤可士和展」に行ってきました。

日本を代表するクリエイティブディレクター、佐藤可士和(1965年生)の過去最大規模となる個展を開催いたします。
1990年代、株式会社博報堂でアートディレクターとして斬新な広告プロジェクトを次々と手がけた佐藤は、 2000年の独立以来、企業から、幼稚園、病院、ミュージアム、エンターテインメント界、ファッション界、地域産業まで、多種多様な分野で革新的なVI・CI計画やブランド戦略を手がけ、内外から注目を集めてきました。
本展では、佐藤自身がキュレーションする会場構成のなかで、約30年にわたる活動の軌跡を多角的に紹介します。

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会場入ってまず目に飛び込んでくるのが「ADVERTISING AND BEYOND」というエリア。佐藤可士和さんが博報堂から独立して「SAMURAI」を設立された頃、2000年代の作品が並んでいます。

「SMAP」や「極生/生黒」「キリンチビレモン」そして「UNIQLO」・・・主に広告やプロダクト、パッケージの作品が中心になっています。

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私がデザイナーになったのが2002年。ちょうどそのころ「佐藤可士和」という名前が、デザイン業界にとどまらず世間に広がっていったときではないでしょうか。私も駆け出しのデザイナーとして「かっこいいなぁ」と思いながら可士和さんの作品を見ていました。
そして20年近い月日が経ってこのエリアに足を踏み入れた時、なにか当時のことを思い出すというか、甘酸っぱさなのかなぁ・・・胸がキュンとなる感覚を覚えました。

SMAPのアートワークは毎回斬新でしたよね。三原色のポスターを皮切りに、ベスト盤だからVest?、Smap!の缶・自販機のプロモーションだったり。いつも刺激を受けていたことを思い出しました。

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次のエリアは「THE LOGO」。佐藤可士和さんが手がけたロゴたちが勢揃いしています。ただただロゴを飾っているだけではなく、特大のオブジェにして壁にかけられたり、床に置いてあったり・・・なにか来場者の「写真撮ってみんなに共有したい」願望に応えるかのような見せ方が、可士和さんからのギフトのようにも受け取れました。

(イスと勘違いして座っちゃう人もいましたが、そういう楽しみ方があっても良かったかもしれませんね)

私は現地で気づかなかったのですが、公式サイトには・・・

圧巻の大きなロゴはいずれも、企業・組織の理念や活動分野を示唆するような素材で制作されています。

と記されており、オブジェの素材が各ロゴによって異なるそうなので、そこもチェックしてみると面白いかもしれません。

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一方で、ロゴの詳細な設計図なんてのも飾られています。特にデザインに携わっている人にとっては、たまらないコーナーではないでしょうか。

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以降のエリアは残念ながら撮影禁止になっています。

特に印象深かったのが「セブンイレブン」のリブランディングプロジェクト。膨大な数のプライベートブランドの商品パッケージのデザインたちが、天井近くから床まで巨大なロールペーパーに描かれてディスプレイされています。このプレゼンテーションの仕方が、とても秀逸でした。

また「武田グローバル本社」の壁面アートワークも素敵でした。「生」「水」「絆」など8つの漢字をモチーフにしたパターンが壁面や照明に描かれた様子は、シンプルのなかに力強さというよりかは「やさしさ」や「あたたかみ」を感じさせるデザインになっていました。

そして最後のエリア「LINES / FLOW」では、アーティスト・佐藤可士和の作品が見られます。自然界には存在しない“直線”を描いた「LINES」と、重力などの自然のチカラのままに描かれた「FLOW」。真逆のコンセプトのアートワークが向かい合わせに並んでいるのも面白かったです。

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佐藤可士和さんの約30年にわたる作品が一堂に会した展示会。2000年代前半は広告やプロモーション案件が中心だった可士和さんのワークが、徐々に企業側にガッツリ入り込み、ブランドの再構築やデザイナー視点で経営陣にアドバイスしていく、いわば「デザイン経営」にシフトしていったのがわかります。

もちろんデザインに詳しくない人でも充分に楽しめる内容になっていると思います。「あぁ、これ佐藤可士和さんがデザインしたんだ!」という発見もあるかもしれませんよ。

※コロナ渦の影響もあり事前予約での来館が推奨されています。当日券もあるようですが、事前予約で満員の日時は販売されないとのことでした。

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林大輔
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