ときにひとりのデザイナーとして貢献する 〜デザインマネージャーのお仕事13
デザインマネージャーってどんなお仕事しているの?・・・を紹介する連載シリーズ。第13回のテーマは「ときにひとりのデザイナーとして貢献する」です。
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13.ときにひとりのデザイナーとして貢献する
突発的な欠員が出たり、キャパシティー以上の案件がやってくることもあります。イザというときはマネージャーが自ら手を動かすこともあります。腕が鈍らないように、日々何かしらの案件に関わっていることも大事かもしれません。もちろん環境によっては、常にプレイングマネージャーであることが求められることもあります。
「マネージャーは手を動かさないほうがいい!」「いや動かしてもいい!」
という議論ってあると思うんですよ。これに正解なんかなくて、組織の規模や状態・ワークフローなどによっても違ってきますよね。
私個人としては、マネージャーも手を動かしてもいいと思っているひとりです。むしろデザインマネージャーは手を動かしたほうがいいと思っています。
理由は2つあって、ひとつは的確なクリエイティブディレクションをするため。デザイン的なアドバイスをメンバーにするとき、私なんかはその場でFigmaなどのデザインツールを動かしながら提案・アドバイスをすることもあります。
「このデザイン、こんなパターンもあると思いますが、どう思いますか?」なんて感じで、デザインを提示し、さらにデザイナーに考えてもらう感じです。そういう瞬発力って、やはり日頃から手を動かしていないと鈍っていくのかなと思っています。
クリエイティブディレクションの観点で言うと、デザイントレンドにキャッチアップしていくことも重要だと思います。デザイントレンドって結構変わっていくんですよね。スマートフォンアプリのデザインも10年の間でスキューモーフィズムから始まり、フラットデザインに移り変わり、次はニューモーフィズムが来るのか?なんて話もあったりしましたっけ。
Human Interface Guideline であったりMaterial Design だったり、そのあたりのディレクションも知識だけではなく手を動かした経験がないと、なかなか難しいのではないでしょうか?
あとはやはりデザインができる上司・デザイントレンドを知っているからの意見と、そうでない上司からの意見では、納得感は変わってくるとも思います。
2つめは、冒頭でも言いましたが、突発的な欠員が出たり、キャパシティー以上の案件が来たときに、案件を終わらせるために、デザインマネージャーがいちデザイナーとして案件に入ることもあると思います。私も先日休職しなければいけないメンバーがいて、他にアサインできそうなデザイナーもいなかったので、代わりにデザイナーとしてがっつりジョインした案件もありました。
これに近いですが、締め切りが迫っている案件があって、でもデザイナーがギリギリ間に合うかビミョーだなぁというときは「いざとなれば、直前に私が巻きとればいい」という思いで見守っていることもあります。アサインしたデザイナーだけで完結してくれるのが理想的なのですが、締め切りは守らなければいけません。そんなときは私が作業したら何営業日で巻きとれるか・・・なんてことを頭で考えたりもしています。これも「最悪オレが巻きとればなんとかなる」という想いがあるから、できることかなと思っています。そのためにも普段からある程度手を動かしておくことも大切かなと思っています。
手を動かす仕事の割合は、以前は40〜50%、今は10%〜20%ほどです。ホントいざという時のためという感じ。小さい案件や、他のデザイナーのサポートにまわるような案件が多いです。
ちなみに上記の割合を減らしたのには理由があって、育児休暇を取るタイミングがあり、すべてのタスクを引き継がなきゃいけなかった・・・というきっかけがあったためです。
一方で「マネージャーは手を動かさないほうがいい!」という意見もなんとなくわかる気がします。やはりマネージメントのときに使うアタマと、デザイン作業のときに使うアタマって、少し違うと思っていて、私もここの切り替えがスムーズにいきません。
デザインに集中していると、没頭しすぎてマネージメントタスクが後回しになったり、その逆もしかりで。私なんかはマネージメントタスクとデザイナータスクは、同時にこなしにくいので、時間で区切って作業するようにしています。
またマネージャーが案件を抱えていると、メンバーの成長を邪魔する可能性もあるかなと思っています。いわゆる「私がやっちゃったほうが早い」ってやつですね。メンバーの成長を促進するために、チームとしての総合力をつけていくためにも「マネージャーは手を動かさないほうがいい!」という論調があるのだと思います。
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デザインマネージャーのお仕事・第13回は「ときにひとりのデザイナーとして貢献する」というお話しでした。
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