「五感」を磨く(2)嗅覚 ・味覚・触覚
3.嗅覚 -【臭う・香り・薫る】
嗅覚は様々なにおいを感じる感覚。
揮発性の化学物質の刺激を受けた時
に生じる。
臭覚とも書く=物から発散されて、
鼻で感じる刺激。
香り・臭みなど。臭気。
仏教における「臭覚」を表わす語句=
六根-鼻(び)六境-香(こう)六識-鼻識(びしき)
イ)「におう」の語彙を知る。
1.「匂う」は香りが快く、
心地よく感じる場合に多用される。
2.「臭い(におい)」は
快・不快両方について表す。
「香り」が快い刺激を言う。
3.「臭い(くさい)」
は不快な多くの場合を表す。
ロ)言葉の持つ様々な意味
①そのものから漂ってきて、
嗅覚を刺激するもの。
②そのものがもつ雰囲気やおもむき。
③いかにもそれらしい感じ・趣。
④物から発散されて、鼻で感じる刺激。
かおり・くさみなど。臭気
⑤鮮やかに色づく。特に、赤く色づく。
また、色が美しく輝く。照り映える。
⑥人の内部から立ち現れる、
豊かで生き生きした美しさ。
(内面の美しさなどがあふれ出て、
生き生きと輝く)
⑦他のものの影響を受けて、
華やかに栄える。
恩恵やおかげをこうむる。
⑧「におう」は時により
「かおる=香る・薫る」と言い表され、
快いにおいについていうのに対して、
「におう」は快・不快両方について言う、
不快な場合の漢字表記は多くは「臭う」
⑨何となく、それらしい雰囲気が感じられる。
多く好ましくない場合に用いる。
⑩声が豊かで、つやのあること。
⑪芸術、芸能や文芸で、表現の内に
どことなく漂う情趣・気分・余情。
⑫演劇などで、台詞の言い方や動作
が大げさすぎてわざとらしい時に使う。
⑬「けち臭い」や「照れ臭い」など
上にくる語の意を強める。
⑭疑わしいようすである。怪しい。
ハ)慣用語として
下記の熟語や語句を、
リアル=R./バーチャル=V.
ハートで感じる(意識として)=H.
に分類してみると色々なことが見えて来て、
おもてなしや接客接遇サービスに役立ちます。
不快な臭いを感じる/いやな臭いがする/
匂うばかりの美少女 /悪の臭い
愛嬌が匂う女性/サンマを焼く臭い/
生活の臭/臭い芝居/インテリ臭い
百合の花が匂う/石鹸がほのかに匂う/
梅の香が匂う/くつ下が臭う/汗臭い
都会の臭/紅に匂う梅の花/臭い仲
肉を焼く匂いが匂ってくるor肉を焼く臭い
不正が臭ってくる/朝日に匂う山桜
香水の臭い(匂い)/よい匂いを鼻に感じる
花の匂いをかぐ/玉ねぎの腐った臭い
変な臭いがする/薬品の臭いをかぐ
パリの匂いのする雑誌/焦げ臭い
生活の匂いの感じられない女優
ごみ捨て場が臭くにおう/息が臭い
あのそぶりはどうも臭い/年寄り臭い
※アロマ【aroma】
1 芳香。香り。
2 (芸術品などの)気品。妙趣。
嗅覚 の「諺」
📖目から鼻へぬける( めからはなにぬける )
判断力が優れ、物事に素早く反応できる様子。
📖目で見て鼻で嗅ぐ
注意に注意をすること。
📖薫は、香を以て自ら焼く
すぐれた才能のある人が、
その才能のために周りから注目され、
かえって身を滅ぼすことの喩で、
香りのよい草は、そのよい香りの
ために焼かれてしまうことから。
「薫」香草。
📖遠きは花の香
遠くのものは良いものに思われ、
逆に身近にあるものは軽視して
しまいがちであるというたとえ。
📖梅は香りに桜は花
優れているものを表す。
📖梅は蕾より香あり
才能のある人や大成する人は、
幼い頃からそれが現れること。
蕾の時からよい香りを漂わせる梅に喩えた。
「栴檀(せんだん)は双葉より芳し」に同じ。
4.味覚
【味わう・味・食する・三味・五味】
味覚=味
動物の五感の一つで、
口にする物の化学的特性に
応じで認識される感覚です。
生理学的には、
甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の
5つが基本味に位置付けられてます。
基本味の受容器はヒトの場合
主に舌にあります。
基本味が他の五感の要素
(嗅覚、視覚、記憶など)
で拡張された知覚心理学的な感覚として、
味は風味(flavor)と呼ばれることがある。
また、認識の過程を味わうと言う。
仏教における「味覚」を表わす語句
六根=舌(ぜつ)/六境-味(み)
六識-舌識(ぜっしき)
イ)「味」の語彙
飲食物を舌にのせた時に発生する感じ、
温度の総合した感覚。
体験して得た感じ。
感触物事を深く知ることにより、
初めて解る面白味。
そのもののもっている趣。
深い所に潜んでいる素晴らしさ。
気が利いているさま。おつなこと。
無味乾燥で趣や潤いに欠けるさま。
飲食物や薬品などの種類を数える。
甘味・旨味(うまみ)=美味い。
味がよい、うまい意を表す。貴い意を表す。
ロ)慣用語として
下記の熟語や語句を、
リアル=R./バーチャル=V.
ハートで感じる(意識として)=H.
に分類してみると色々なことが見えて来て、
おもてなしや接客接遇サービスに役立ちます。
味をつける/味が濃い/人間味
あっさりした味/味の追求
他店より味が落ちる/美味い
味も素っ気もない/味に感動
後を引く/漢方薬の三味/薄味
究極の味/食の味/人の味
店の味/味な店/粋な味/香味
素敵な味/余韻の味/旨味
味わい/絵画を味わう/風味
味わい深い/日本の味/渋味
都会・地方の味/味な着こなし
味気ない/無味乾燥/味付け
味気ない接客/食味/滋味
美味/佳味/好味/芳味/酸味
珍味/甘味/辛味/苦味
旨い酒/五基本味/三味一体※
※三味一体(飲食業の場合)
注)これは
正しい日本語ではありません。
私見で作り出しました当て字です。
また、上図にある「五基本味」は、
旨味のある奴、甘い考えと言った
人間味や人の思考を表わす場合にも用いられます。
🔴三味一体
「人・モノ・店」夫々の三つ味が一つにし、
心を込めてお客様を「おもてなし」することです。
また、この三味一体はおもてなしの三要素の
「心・技・体」とリンクし合います。
〇人の味
(味のある接客、人物から感じる人間味・・・)
心⇒思い遣り=さり気ない心遣い、丁寧さ、
綱立場転換、感謝、安心感、奉仕の心etc.
技⇒気配り、心配り、心を伝える
接客技術全般、豊富な知識、
CSの提供 etc.
体⇒目配り、手配り、身配り、
表現伝達の動作、
この店だけの人の持つ個性と心etc.
〇料理の味
(料理の味、お客様の嗜好との相性、感性・・・)
心⇒料理人の心を表わす、
お客様への心遣い(季節感・目的・時間)、
安全性、etc.
技⇒調理技術、素材選択、
季節感の表現力、技の追及、こだわり。
オリジナリティ etc.
体⇒T・P・Oに合わせた器や盛付、
美観、季節感 食器のセンス etc.
〇店の味
(お客様と店の絆、信頼性、余韻、雰囲気)
心⇒お迎え準備(盛り塩・水打ち・
天候対応)の徹底、清潔感、
お勧めメニュー、朝終礼 etc.
技⇒五Sの徹底、季節感の表現、
催事、案内告知のアピール度、
各種演出 etc.
体⇒独創的な店造り、適正な居住性、
時節感漂う店舗、イベントの実施、
感謝祭 etc.
📖味と食の「諺」
📖縁は異なもの味なもの
男女の結び付はとても不思議なもので、上手くできているということ。
多く思いもよらない二人が結ばれるような時に使う。
📖エグイ-渋いも味の内
味には、色々あって、味覚の幅は広いこと。
「えぐい」灰汁が強くて、のどを刺激する、いがらっぽい味。
📖医食同源
中国の諺。命にとって医療と食事は同じ位大切だという意。
📖美味い不味いは塩加減
調味料も色々あるが、微妙な違いで塩ほどに味を
左右させる調味料は他にはない。味の決めては塩加減。
📖美味いものは宵に食え
料理には食べて美味しいと感じる適温や状態がり、
そのタイミングを逃すと味が落ちてしまう。
美味しいタイミングを逃してはいけないという意味。
✨人間力UP「五感」を磨く
視覚・聴覚・臭覚・触覚・味覚
【触れる(触れる)】
【触る(さわる)】
触覚には、
「触れる」と「触る」の二つ表現の仕方がある。
仏教の「触覚」を表わす語句
=六根-身(しん)/六境-触(そく)六識-身識(しんしき)
イ)「触れる」「触る」の語彙
ある物が他の物に、瞬間的に、
または軽くくっつく。(ちょっと触る)
手などをそのものに軽くつける。
また、何かが身体に触れて、
そのものの存在が感覚的にわかる。
ロ)言葉の持つ様々な意味
①食べ物にちょっと手を付ける。
②物に軽くくっつくようにする。
③手を押し付け、動かしてみる様
➜手で触る。
④対象になる物などの表面に
軽く手を接触させる様➜手を触れる。
⑤人と人、人と固体や液体が接触する
場合にも用いる。
⑥言及する。
⑦あることを話題にする。
⑧少し耳にしたり見たりする。
⑨規則・法律などに反する。
⑩感動・感銘を受ける。
⑪ある時期や物事に出あう。
⑫広く人々に知らせる。
⑬抵触する。
⑭怒りなどの感情を身に受ける。
⑮関わりを持つ。(関係する。)
⑯感情を害する。
ハ)慣用語として
下記の熟語や語句を、
リアル=R./バーチャル=V.
ハートで感じる(意識として)=H.
に分類してみると色々なことが見え、
おもてなしや接客接遇に役立ちます。
汚い手で触るな/勘気に触れる
ひんやりとしたものが顔に触った
神経に触る/癇(カン)に触る
宝石にそっと触る/耳に触れる
とかくの噂がある人なので彼には
触らないことが賢明だ/肩に触れる
政治的な問題に触らないでおく/
額にさわる(ふれる)とひどく熱かった
怒りに触れる/冷気に触れて震えあがった
高圧電流に触れて感電死する
風で枝が壁にふれる/心の琴線に触れる
着物の裾が床に触る棒で触ってみる
脈が触れなくなる/核心に触れる
心に触る話に脈が反応する
髪の毛に手を触れる/花に手を触れる
隣近所に触れて回る/学則に触れる
機雷に触れる外の空気に触れる
食料問題に触れる/折に触れて訪れる
事に触れてから変われる
触覚 の『諺』
(以下、ことわざ辞典より引用)
📖琴線に触れる
人の心を揺さぶり大きな感動や
共鳴を与えることで、
各自の心の中に共鳴して鳴り響く
弦に触れる意味から。
「琴線」琴の弦。
📖忌諱に触れる
相手のいやがることを言ったり、
行動に出したり相手の機嫌を損うこと。
相手の人が気にして隠していることを、
わざと問題にして口に出し、
言ってしまうことによって、
相手の人の心が傷つき、
気分を悪くする、ということ。
何気ない会話の中では、
軽はずみな言葉を口に出さないよう、
注意すれば、このようなことには
ならないと思います。
また、
あまり好ましいことではありませんが、
諺通りにすることがあるかもしれません。
忌諱=忌み嫌って避けること。
嫌だと思っていることを隠して
言わないこと。「きい」とも読む。
📖逆鱗に触れる
逆鱗に触れるとは、
目上の人を激怒させることの喩。
「逆鱗」とは竜のあごの下に逆さ
に生えているうろこのことで、
そこに触れると竜が怒って触った人
を殺してしまうと言うこと。
📖腫れ物にさわるよう
おそるおそる慎重に扱うこと。
気難しい客を腫れ物に触るように
📖触らぬ神に祟りなし
触らぬ神に祟りなしとは、
かかわり合いさえしなければ、
余計な災いを受けることもないこと。
神様と係りを持たなければ神様の祟り
を受けるはずもないことから、係りあい
さえしなければ余計な災いを被る心配も
ないという、主に逃げの処世をいう。
「触る」は、関わり合いを持つという意味。
「触らぬ神に罰あたらぬ」
「知らぬ神に祟りなし」とも言う。
📖癇にさわる
神経を刺激していら立たせる。
気にいらない。癇に触れる。
気に入らない感じがして、
いら立たしく思ったり怒ったりするさま。
「癇」は過敏な神経を指すことから
「癇に触る」とも書く。
似た言葉に「癪に障る」もある。
📖人生意気に感ず
人生意気に感ずとは、
人は利害や打算で行動するのではなく、
相手の心意気に感動して動くもの。
「意気」とは、やり遂げようとする
積極的な気持ちのこと。
人は金銭などの欲や名誉のために
行動するものではないという戒め。
魏徴の詩『述懐』にある
「人生意気に感ず、功名誰か復論ぜん
=人生は心意気を感じて行動するもので、
功名のことなど誰が問題にするものか、
に基づく。