心の基礎体力テキスト-№1
心の基礎体力の必要性
💟心の基礎体力-解説
(Physical fitness & heart)
最近は、ネット上でも人としての
「思い遣り」や他人に対する
「おもてなし」の関連した記事か
多く見られるようになりました。
同時に、対外的なスキルを
身に着ける為の対人関係力については、
数多くの方々がセミナーや講座を開き、
それなりの成果を上げていると思います。
しかしながら、
対外的な対人関係力の「礎」となり、
自らの心の原点であり自らの心である、
内なる「心の基礎体力」の知識は、
未だ学びが不足していると思えます。
先年の2020東京オリンピックに
出場したメダリストと言われる方、
残念ながら、メダルには届かなかった
選手の皆さんに共通することは、
強靭な「身体の基礎体力」と、
高い目標とビジョンを備え持ち、
どのような苦難や試練にも挫けず、
競技を楽しみながら果敢に挑戦し続ける
強い「心身の基礎体力」を保有するからこそ、
メダルと言う大きな成果や今迄に味わうことの
なかった貴重な体験を得られたと思われます。
今後のコロナ後、震災復興、
厳しい少子高齢化核化社会、
感染症対策、など様々な苦難が
予想される国内事情、個を優先した
社会環境などを迎える一般人としても、
この「心の基礎体力」の知識と修得が
必要不可欠でではないかと考えます。
また、このような厳しい社会環境で
予測される今後の日本を担う子供達にも、
「心の基礎体力」は必要不可欠であると考えます。
現在の日本には70万人とも言われる
ニートがおり、年間30万人以上もの
自殺者があり、6万人以上とも言われる
親の自分の子への児童虐待やDVが存在し、
子供達の間には様々な形のいじめや
孤立と言ったことが多発する現状です。
この様な現象の起因や原因は、
人としての「心の基礎体力不足」に
他ならないのではないかと考えます。
同時に、この「心の基礎体力」は
豊かな心を育み、幸せな心を掴むため
にも必要なことであると思います。
一人でも多くの方々に人としての原点である
「利他心」や「思い遣り」を始めとした
様々な心の知識を知り理解して頂き
幸せな生活を掴んで頂きたいと思います。
現在社会は、古からの賢人や成功者の
書かれた自己啓発に関する様々な本や
多くの成功経験者のビジネス本を読んだり、
セミナーや研修に参加する機会が多くなりました。
多くの書や学びの場で、仁は「思いやり」、
「謙虚さ」は遜り受容れる素直な態度、
「感謝」はありがとうの気持ちを表わす、
「誠実さ」は正直で偽りのないこと、
と言ったことが書かれ、他人から教えられます。
でも、現実として夫々の語彙を
自分で解ったつもりになり聞き流して
しまっているのではないでしょうか。
実際に、
この一つひとつの語彙を理解していたら、
啓蒙書やビジネス本、セミナー、講座、
研修での受け止め方や理解度、体得も
より一層増すのではないかと考えます。
例えば、
現場優先で知識の乏しかった私は、
「思いやり・優しさ。誠実・謙虚さ・
感謝・立場転換・信頼」などと言うことを、
大まかに解っていると錯覚したままで
人生の後半まで生きてしまいました。
ところが、何気なく指導先で訊ねられた、
「思いやりってどんなこと?」の一言
の問いかけに答える為に色々な方面から
学ぶプロセスに於いて、その一つひとつを
知り理解すること大切さに気付きました。
増してや、それが「心の基礎体力」の原点、
人間の心を形成する源(元点)とも言える
【知情意】であることに気付きませんでした。
このそれぞれを学び知り得たことで、
幸いにも体験に照らし様々な人物や事象
が理解出来るように成れたのも事実です。
この【知情意】は、予期せぬ想定外の
何らかことが起きた時などに平然と
人(相手)や物事(事象)に立ち向かえ、
対応・対処の出来る心(意識・気持ち)と、
その能力のバロメーターであると解します。
【知】:テクニカルスキル
知識とか知性などに相当する領域
・知っているか、知らないのか?
・出来るのか、出来ないのか?
・スキルや具体的なテクニック、
知識を現実の社会生活に活かせるか?
などの技と言われるテクニックやスキルと
言われる資格ばかりに意識が向いてしまい、
夫々を生かす人としての「思い遣り」などの
心の知識が不足し、技と体が伴わないことの意です。
【情】:ヒューマンスキル
・感情とか人情などに相当する領域。
・自己の感情や好みを、いかにコントロールし
社会に適合し得るか?
・どれだけ多くの人と関わったか?
或は、深く付き合ったか?
・冷静であれば自覚でき、身体にも反応が出易く、
激しい怒りや凄く落ち込むと見失うものです。
人間関係力に関する情報は、
ネットでも本でもテクニック盛り沢山です。
その有り余る情報を自分に合わせて選別し、
如何に上手く使い対人関係に活かすかです。
忘れてはならないのは、【情】に
豊かな人としての個性が有るか、否かです。
【意】:コンセプチャルスキル
意志とか意図などに相当する領域
・自分の明確な意思を表現し、
実社会の人間関係に通用させられるか?
自らの「意」と言われる将来に向けて
意思や意図を理解し、確認するのは、
現在や将来過去を振り返った時、
初めて自分で確認理解出来るものです。
偉人、賢人、先達が記した生き方に
直接関わる新旧の書物を読み込むこと。
20世紀までは、
このような「心の基礎体力」を
人や親の背中を見て身に着けてきました。
現在のように情報が満ち溢れている社会では、
情報の多さや目先の様々な情報に振り回され、
自分自身と「向き合うこと」さえ疎かになり、
その結果、如何に楽に世渡りを
上手にして行くかと言う対人関係力に
意識が向き、人として必要とされる大切な
「心の基礎体力」に意識が向いてないと思われます。
即ち、[心・技・体]の[技]
=【知】のスキルやテクニックの
知識を身に着けることばかりに意識が向き、
それを生かすための知識が不足し[体]
が伴わず頭でっかちになってしまっている
のではないか、と思われてなりません。
私達は、震災復興や2050年問題
と言われている「ジャパンシンドローム」
に対処するためにも様々な素晴らしい環境が
齎されている現在社会生活環境に於いて、
この【知】を生かす方程式を解く学び、
即ち上記した「思いやり・誠実・謙虚ささ・
感謝・立場転換・信頼」などについての
知識を先ず身に着ける必要があると思います。
この人間の原点に立ち戻ることによって、
ひとり一人の心に齎されるものは計り知れません。
少しでも多くの大人が、
この心の礎となる「心の基礎体力」創りに、
直ぐにでも取組まれることをお薦めします。
その結果として、
心豊かな人間形成に成るばかりか引籠り、
自殺、いじめ、犯罪の減少に繋がると思います。
「夏目漱石の草枕」一節
智に働けば角が立つ。
情に棹(サオ)させば流される。
意地を通せば窮屈だ。
兎角に人の世は住みにくい。
山本有三の言葉