💗こころの文化💗　　　　　　　　　　　　「唯一無二の日本のおもてなし」(１３)

二つの｢おもてなし｣の違い・特質➡日本＆欧米

二つのおもてなし－心と行動

🗾｢和｣のおもてなしの原義

「おもてなし」を漢字で書くと
【お持て成し】【御持て成し】
　と書きます。
この「おもてなし」という言葉は、
動詞『もてなす』の連用形名詞
『もてなし』に美化語（丁寧語）
の接頭辞『お』が付いたものです。

現在の意味は
「お客様を歓待すること。
　お客様の世話をすること。」
などを意味します。

おもてなし

ホスピタリティの「おもてなし」と語彙

一方の「ホスピタリティ」には、
「思い遣り・心からのお世話の心身の活動」
という意味があります。

特にサービス業や人に関わる企業で
よく使われている言葉の一つです。

態度や行動で表す｢マナー｣の
所作とは、相手に不快感を与えない
ための最低限のルール＝決まりです。

そこに｢心≒気持つと態度｣が加わると、
ホスピタリティになるのです。

それは、相手の心に深い心地良さが
加わることで、感動、信頼や信用、
安心感を生み、与えられます。

ホスピタリティの語源は、
ラテン語のHospice(客人等の保護)です。
それが英語のHospital（病院）
Hospice（ホスピス）などと言う
色々な言葉に発展したのです。

これらは相手に
対価を求めているのではなく、
お世話・配慮をし喜びを与える
ことに重きをおいている点が
サービスと大きく異なります。

ホスピタリティに重視されるのは、
対価や報酬の見返りを求める行動
でなく人間性やアイデンティテーです。

このホスピタリティは、
遠くから来た旅人を身分の上下なく
温かく迎え入れることを表わしいる
ことに関しては日本のおもてなしの
由来＝起源と類似しております。　

では、日本とホスピタリティの
「おもてなし」との違いは、
どう言ったことなのでしょうか？

※以下、それぞれの大切である
と思われる点を選びみました。

🎌日本のおもてなし

【客の心になりて亭主せよ。
　亭主の心になりて客いたせ。】
　井口海仙『茶道名言集』より

もてなす側(主人)は

客人へ｢裏表｣のない表裏一体の心で

＝主客一体⇔客人と対等
　⇔心を一つに共感⇔互いを思い遣る
　(➜心の位置→互いの立場や心を理解する)
＝直き心⇔客人を素直に受け入れる
＝四季折々に合わせてもてなす

＝主客共にもてなしを楽しむ
＝マニュアルは存在しない
　(↑個々人のもてなしに関する)
＝しつらえ→事前の情報収集

＝個々の個性と感性⇔今の個の時代に適合する
＝自ら考えて配慮、行動
＝奥ゆかしく控えめな態度

＝もてなすモノやコトの様々な
　うんちくを提供
(蓄えた深い学問やモノの知識)
＝自然を重視
　→何気ない自然な姿⇔侘び寂び
＝目に見えない配慮➡
　気配り・心配り・手配りの仕草と心構え

＝臨機応変な所作
＝不完全美の追求
＝基礎の作法、心得を重視

＝客人への礼節を弁える
＝様々な日本文化を織り込みもてなす
＝一期一会の心

＝和敬清寂の心
＝日本文化の知識と認識
＝和顔和心に徹する

もてなされる客人は

＝もてなす側への配慮(主人)
＝主人への礼と感謝
＝作法を弁えて

＝相客に心する⇔周りの人に対する敬意を払う
＝直き心⇔もてなしを素直に受け入れる
＝主人に対する感謝と慎みを忘れない

＝訪問の予告などにより、迎える側に
　要らぬ気使いをさせないように心配りする
＝一期一会の心
＝和敬清寂の心を味わい
＝風情を味わいながら

🏥ホスピタリティ(欧米)のおもてなし

＝歓待する心で
＝お世話する優しい心で
＝相手の気持ちに寄添って

＝思いやる心を以って
＝あくまでもお客様と一線を置く
＝臨機応変な所作

＝一定の決りの下で行う(マニュアル有)
＝自然発生的な応対
＝お客様の喜びと感動を最優先する

＝顧客の来店目的の掌握
＝個人的個性が必要
＝チップや見返りを求めない奉仕の心で

⦿サービス(参考)

＝サービスの語源「servitus＝奴隷」
　の自覚／主従関係の発生
＝｢お客様は神様｣の心構え
＝何事もお客様中心に活動する

＝マニュアルの下一定のルールに従う
＝個性的なサービスでなく統一されたサービス
＝忍耐と寛容さが求められる

＝形やルールを重んじる
＝チームワーク重視
＝チームとしての個性が必要
＝個人的個性を重視しない

🔶まとめ図🔶

サービス・和洋のおもてなし