叱る・怒る・筋を通す-心身の活動
叱ると怒る、筋を通す?
相手(部下など)の気持ちを度外し、
自分が腹が立つから感情の侭に叱る、
一人の人間として筋を通すために怒る、
こう言う苦い体験が数多くありました。
しかし、本来感情や理性を持つ人間として
「叱る」行為「筋を通す」言行、行為、
態度は果たして悪いことでしょうか❓
悪いのは、
感情的な「怒」を含んでいる時です。
刹那に「怒」で言動している時は
決して良い結果は得られません。
そこには、
「感情」と「私利私欲」がある故で、
その私利私欲が、邪魔をしています。
そこで、感情的にならないように自制し
「怒らずに叱る、怒らずに筋を通す」
ことに心掛けることです。
即ち、
自らが感情的にならず自制して、
私利私欲で言動していないか?
を真摯に顧みるようにすることです。
筋を通す
🔳「筋」とは何か?
「筋」とは、
自らが正しいと信じる人としての
道理=「心の軸」であると捉えます。
故稲盛和夫氏は、この「筋」を
人間の精神の指標を指すと言っています。
「筋を通す」ということは、
誰からも受け入れても貰えず孤立しようが、
他者からどのように評価・批難されようが、
自らが正しいと思う、志・信念を一貫して
通す事であると受け留めています。
或は、時代や社会の流行に逆走していようが、
自分の理念や思想を揺るぎなく押し通すこと。
他者には、自分自身の心は、
絶対解りませんし自分にしか解りません。
当然、自分も相手の本心が解りません。
「筋を通す」ということは、「理」=
己の正しいと信じる本心に忠実に生きること。
私見ながら、「筋」とは、自分の本質が
何であるかを見極め、それを貫いて行くこと
でありそれを【筋を通す】ことだと解します。
叱り方のポイントとテクニック
今の時代、他者の思惑を気にし過ぎたり、
叱ると逆ギレされることを恐れるばかり
見てみぬふり、逆恨みして陰口を言われ
ないように、自らの保身のために叱ること
をしない人が増加し、人々の「心の体力」
が薄れつつあるのではないかと思います。
その「心の体力」の不足や欠如により、
人としてあるまじき辛く悲しい事件も
殆ど毎日のように起っています。
また、ちょっと叱っただけで直ぐに落ち込み
ふてくされた態度とり背を向けする人が増え、
良い意味で厳しくて怖い人が消えて上辺だけ
良い人ばかりになりつつあると思われます。
同時に、心のある厳しい躾がされなかったり、
叱られなかったりする環境で育った結果、
モラルが欠如し、社会のルールや様々なマナー
を知らなく守らない人も多くなって来ています。
これから迎えるであろう厳しい少子高齢化社会の
環境を生き抜く為には、忍耐力や挑戦競争力など
「心の体力」を身に付け持たなければなりません。
その為にも愛情(思い遣りの心)を備え持ち、
真剣に本気で叱咤激励する取組み姿勢が
必要とされるのではないかと思います。
そこで、
心から叱る際のポイントとテクニックに
ついて色々と考えてみることにします。
叱る時は、対象者の特性(特質)でとも言える
資質、性格、物の考え方、捉え方、経験度、
生活環境を意識した上で、思い遣りの心で
冷静沈着且つ平等の意識で接することです。
例えば、
部下が何度となく遅刻をしたり、
当日欠勤をしたりする。
何度話聞かせても、何度教え導いても、
その行為が続けられ改善されない、
このような場合、皆さんはどのように考え、
どのような行動や対処をしますか?
叱る時の技と活動⇔無断欠勤・理由無き遅刻
(正誤)
正しい=〇・間違い=×・どちらとも言えない=△
1. 本気で真剣に叱る
2. 叱りながら諭す
3. 解るまで気長に説得する
4. 職場での役目、役割を話して聴かす
5. 何故休んではいけないのか、
その理由を一人で考えさせる
6. 本人の気付きに繋がる手段や方法を考える
7. 食事や飲みに連れて行き説得する
又は気付きに繋がる会話をする
8. 何故の心で、原因や起因になることを思考する
(探す)
9. 本人の資質、特性を再検討する
10. 改めて多方面から本人の人間力を見直しみる
11. 家庭訪問し、家族と相談する
12. 職務の適正診断をしてみる
13. 他者に対する思い遣りの大切さを話し伝える
14. 住いに迎えに行く
15. ただじっと待つ
16. その職場から配置転換する
17. 関わりを持たず突き放す
18. 処罰として告知する
19. パートやアルバイトなら時給を下げる
20. ある程度の期間、様子を見る
21. 降級や降格をさせる
22. 退職最終勧告をする
23. 退職させるにする
24. 役目や役割を本人に知らしめるため様々な方法を取る
25.そのひとつとして職場で一人人数が
不足したらどうなるかを傍観者の立場で
観察させて気付きを待つ
🔳叱り方のポイント
評価
(必ずしている=◎・はい=○・まぁまぁ=△・いいえ=×)
1. 当事者の特性(特質)を弁えた上で叱っていますか?( )
2. タイミングを図りつつ叱るようにしていますか?( )
3. 本人の将来を考えた上で、
色々な対処法を考え行っていますか?( )
4. 感情的なもの言いや態度を
取らないように自制していますか?( )
5. 部下の間違いや失敗に気付いたら、
本気で叱り、その後のフォローをしていますか ?( )
6.叱る相手と一緒に考え、トラブルの原因を追究し、
その後の施作や改善策を講じられるように
出来るだけ本人に考えさせるように
サポートやアドバイスをしていますか?( )
7. 原因や起因の解明後、対処や次のトラブル防止
のために指示を的確にしていますか?( )
8. 感情的にならず冷静沈着に叱ることをしていますか?( )
9. ポイントを弁え簡単、明瞭に叱るようにしていますか?( )
(説教ではなく)
10. 叱った後で気持ちを切り替え、
気持のけじめをつけるようにしていますか?( )
11. 部下のやる気を削がないように
本気で真剣に伝えていますか?( )
12. 部下のトラブルの要因や環境、
仕事の能力を把握し、叱っていますか ?( )
13. 自らの態度や言動を指差しながら叱っていますか?( )
14. 時間を有効的に使う工夫をしていますか?
15. 相手の心の位置を察知しながら叱っていますか?( )
16. 口調や言葉の使い方を工夫していますか?( )
17. 相手の態度や反応に合わせ叱っていますか?( )
18. その時の心理、心身の状態を
察知しつつ叱っていますか?( )