道徳の礎「五徳無くして五倫有らず」
道徳(倫理)の基礎「五徳と五倫」
(論語より)
現代でも倫理道徳の基礎にある思想です。
五倫は、
儒教における5つの道徳法則と徳目。
「仁・義・礼・智・信」の「五徳」
と共に儒教倫理説の根本となる教義。
主として孟子によって提唱されました。
モラル欠如やマナー無視のコロナ渦の今、
改めて五徳・五倫を振返ってみましょう。
AIに無い人間力
🔳五徳「仁・義・礼・智・信」の解説
【仁】
「人を思いやることに“素直”にあれ」
人を思い遣ること、これは内面的な活動、
詰り、気持ち(意識)のことを意味しています。
いつも思い遣りの心で、広く万人を愛し、
利己的な欲望を抑えて礼儀をとり行うこと。
【義】
「正義を貫くに“素直”にあれ」
この「義」は、
打算や損得のない人としての正しい道、
即ち正義を指すものであり、
「義」から派生した言葉に
大義・道義・節義・忠義・仁義・信義・
恩義・律義、更には義理・義務・義憤・
義侠・義士・義民・義挙などがある。
【礼】
「礼を尽くすに“素直”にあれ」
仁によって育まれた気持ちを
礼に依って形(≒マナー)とする。
仁のみであってはいけませんし、
仁なくして礼はあり得ないという事です。
即ち、「仁」を具体的な行動として表す。
【智】
「知(知恵)を磨くに“素直”にあれ」
学問に励むこと、知識を重んじること。
勉強ができない人や知識がない人を
愚か者だと貶す風潮がありますが、
勉強ができるから賢いとは限りません。
真の愚か者とは同じ過ちを繰り返し、
何も学ばない存在を意味します。
【信】
「人を信じるに“素直”にあれ」
言明を遵守し、約束を守ること。
現在の社会で欠けていることであり、
五徳の中で最も大切だと考えられる
仁は同情心、
義は正義感、
礼は社会的節度、
智は道徳的分別
にこの信を加えて五常。
※五徳のそれぞれにある“素直”は、
徳の字源「直き心」を指し示す。
🔳五倫 「父子の親・君臣の義・夫婦の別・
長幼の序・朋友の信」
【父子の親】
父と子の間は親愛の情で
結ばれなくてはならない。
【君臣の義】
君主と臣下は互いに慈しみの心で
結ばれなくてはならない。
【夫婦の別】
夫には夫の役割、妻には妻の
役割があり、それぞれ異なる。
【長幼の序】
年少者は年長者を敬い、
従わなければならない。
【朋友の信】
友は互いに信頼の情で
結ばれなくてはならない。
友人、知人、親や兄弟と言う
全ての人間関係の在り方。
なんとなく過ごしている日常でも、
当たり前に感じている意識≒関係
こそどこかで、見つめ直す必要が
あるのでは?と思います。
情=
友情に厚く、言明を違えない、
真実を告げること、約束を守る、
誠実であることなどを表しです。
※言明の意味
① 言葉に出してはっきり言うこと。明言。
② 一定の意味内容をもった文を述べる行為。
または,述べられた事柄。立言。