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【ドラマ感想文】Netflix「One Day/ワン・デイ」〜少しネタバレあり

2024年公開のこの作品は日本でも人気の雑誌「Esquire」やイギリスBBC放送などが発表した2024年を飾るドラマTOP20に選ばれている。

デイビッド・ニコルズ原作の同タイトル小説をドラマ化したもので、2011年にはアン・ハサウィイとジム・スタージェス主演で映画化もされている。

ストーリーは1988年に大学を卒業した主人公二人が出会うところから始まる。この頃大学生だったという人には特におすすめしたい作品だ。

あらすじ

大学の卒業パーティーで出会ったインド系イギリス人のエマ(アンピカ・モッド)とデクスター(レオ・ウッドール)がの二人は一夜を共にするがキス止まり。お互いに友達以上の気持ちを抱きながらも、親友として歳月を重ねていく。

仕事でも恋愛でもお互いに山あり谷あり。喧嘩しながらもお互いがいざという時に話したくなる存在だった二人。それぞれが恋愛、そして仕事でも失敗と成功を繰り返して一緒に成長していく。

11年の時が流れてエマとデクスターはずっと抱いていた思いが愛であることを確信し、新たな道を歩み始める。

感想

少し安っぽく聞こえるかもしれないが、心温まるラブストーリーという表現がぴったりの作品だ。出演者たちが身にまとう80年代と90年代のファッションが、そしてバックグランドに流れる当時の音楽が若かりし日の思い出を蘇らせた。

裕福なデクスターの家族や彼が育った環境などはたびたび登場するが、エマの家族については全くと言っていいほど出てこない。イギリス北部育ちの、あまりにも平凡な家庭の娘という設定だったから描かれていなかったということなのか、その辺は最後までわからなかった。

80年代、90年代のイギリスでは北と南の生活格差、そして人種によるさまざまな格差などもあったはずだ。でもこのドラマの中では、北部育ちのインド系移民であるエマをロンドン郊外の上流階級に身を置くデクスターの家族が、友人として、そして恋人同士になってからも好意をもって受け入れたのがとても印象的だった。

主役の二人は永遠の愛を誓うことになるのだが結婚式のシーンは割愛されている。その代わりと言ってはなんだが、エマの元カレもデクスターの元妻も、昔から深い絆で結ばれていた二人の関係を好意的に受け止めていることを示唆するシーンがあって、別れてもなお憎めない人柄の二人だということがわかる。

パッとしない感じのエマと女の子にモテモテのデクスターに主役の二人はバッチリのキャスティングだったと思う。冴えない子から大人の女性に変身していくエマにも注目してほしい。全14話を一気に観たくなる作品だ。最後の2話は涙腺崩壊御用心。



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