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読書メモ「すごい人のすごい話し」その③

荒俣宏氏のこの本は2013年に書かれたもので、ほぼ10年前のものであるから時事的な内容のものについてはズレもある。
しかし、語られている内容からは一貫して、日本人特有の細やかさや寛大さ、慈悲深さがにじみ出ているように思う。
そして美意識、五感の鋭さ。
突き詰める集中力。

それとはまた別な意味で第4章の大伴昌司氏の母、四至本アイさんの話しと
早坂暁さんの話しには私の知らない日本があった。
四至本アイさんの竹久夢二、出口王仁三郎との逸話など、本の上とはいえ生の交流を見聞きできるとは思わなかった。

早坂暁氏は脚本家として著名な方で、ドラマも著作も触れたことがなかったので、彼の稀有な経験について何も知らなかった。
四国の巡礼の道にある生家は裕福で、
度々家の前に捨て子があったという。
引き取りに来なかった赤子を両親が育てた後の早坂氏とのエピソードは切なかった。
(読了後に生家の出来事をドラマ化したものの母親役?が桃井かおりだったことに驚いた。シリアスな役のイメージが無かったので)

四国は鳴門の海や道後温泉など観光地しか訪れたことがない。
本の中で語られている巡礼地のエピソードは衝撃的だったし、日本人の優しさが溢れていた。
今はどうなのだろう?
10年前の巡礼の例として引きこもりが治ったという話しは紹介されていたけれど。
今でも道行く巡礼の人々を四国の人は助けているのだろうか。

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