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複素数の複素数乗

投稿遅れてすみません。
今回は、実数の実数乗の拡張として複素数の複素数乗を考えます。


複素数の複素数乗とは

高校で、実数の実数乗を習いました。そこで、実数を拡張した複素数を考えます。

$${a^b}$$が実数の実数乗でした。ここでは$${a,b}$$は実数を$${(x+yi)^{a+bi}}$$にすることで実数変数を4つにします。

ここで使用する法則

指数法則

$${a^m*a^n=a^{m+n}}$$
$${(a^m)^n=a^{m*n}}$$
$${(ab)^n=a^n*b^n}$$

https://study-line.com/sisuhosoku-ko1/

オイラーの公式

$${e^{ix}=\cos(x)+i\sin(x)}$$

座標変換

$${x+yi=re^{i\theta}}$$ここで$${r=\sqrt{x^2+y^2}}$$、$${\theta=\arctan(\frac{y}{x})}$$

具体的な計算方法

$${(x+yi)^{a+bi}}$$の$${x+yi}$$を極形式$${e^{i\theta}}$$に変換します。

$${(x+yi)^{a+bi}=(re^{i\theta})^{a+bi}}$$

指数法則③から

$${(x+yi)^{a+bi}=re^{i\theta(a+bi)}}$$

括弧を展開して

$${(x+yi)^{a+bi}=re^{ia\theta-b\theta}}$$

実部と虚部を分けて計算したいので

$${(x+yi)^{a+bi}=re^{-b\theta+ia\theta}}$$

指数法則①を使って指数を分解します

$${(x+yi)^{a+bi}=re^{-b\theta}*e^{ia\theta}}$$

オイラーの公式を使用して虚数乗を消します

$${(x+yi)^{a+bi}=re^{-b\theta}*(\cos(a\theta)+i\sin(a\theta))}$$

$${re^{-b\theta}}$$を展開します

$${(x+yi)^{a+bi}=re^{-b\theta}(\cos(a\theta)+re^{-b\theta}i\sin(a\theta))}$$

順番を整えて綺麗にします

$${(x+yi)^{a+bi}=\cos(a\theta)re^{-b\theta}+i\sin(a\theta)re^{-b\theta}}$$

$${r}$$と$${\theta}$$を戻します。$${r=\sqrt{x^2+y^2}}$$で$${\theta=\arctan(\frac{y}{x})}$$です

$${(x+yi)^{a+bi}=\cos(a\arctan(\frac{y}{x}))\sqrt{x^2+y^2}e^{-b\arctan(\frac{y}{x})}+i\sin(a\arctan(\frac{y}{x}))\sqrt{x^2+y^2}e^{-b\arctan(\frac{y}{x})}}$$

結果が出ました。式変形お疲れさまでした!最後に綺麗な形にしてまとめます。

結果

$${(x+yi)^{a+bi}=\cos(a\arctan(\frac{y}{x}))e^{-b\arctan(\frac{y}{x})}\sqrt{x^2+y^2}+i\sin(a\arctan(\frac{y}{x}))e^{-b\arctan(\frac{y}{x})}\sqrt{x^2+y^2}}$$

実部$${=\cos(a\arctan(\frac{y}{x}))e^{-b\arctan(\frac{y}{x})}\sqrt{x^2+y^2}}$$
虚部$${=\sin(a\arctan(\frac{y}{x}))e^{-b\arctan(\frac{y}{x})}\sqrt{x^2+y^2}}$$

意外と綺麗な形になりました。

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