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積みゲー消化のすすめ 〜効率的なゲーム管理と記録
はじめに
2022年の調査によると、日本のゲーマーの平均的な「積みゲー」の数は10本以上であるといいます。セール、新作ラッシュ、友人からのおすすめ...気づけば積みゲーが山のように。「いつかやろう」と思いながら、その「いつか」が永遠に来ない。そんな経験、ありませんか?
心理学者のアンダース・エリクソンの「意図的練習」理論によれば、効果的な時間管理には明確な目標設定と継続的な自己分析が不可欠です。本稿では、あなたの積みゲー問題を根本的に解決する方法を提案します。
積みゲーが増える心理的メカニズム
選択肢の多様性によるパラリシス
現代のゲーム市場は、選択肢の豊富さゆえに意思決定を困難にしています。心理学では「選択のパラドックス (the paradox of choice)」と呼ばれる現象で、選択肢が多すぎると逆に決定が難しくなり、行動を起こせなくなります。
2021年のゲーム市場調査によると…
平均的なゲーマーは毎年20本以上のゲームに興味を持つ
そのうち実際にプレイし切れるのは3〜4本程度
約70%のゲーマーが「積みゲー」や「中断したゲーム」を抱えている
経済的要因
ゲーム市場の構造的変化が、積みゲー増加に拍車をかけています。デジタルセールの常態化により、かつてないほど安価にゲームを入手できるようになりました。
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Steam、PlayStation Store、Nintendo eShopなどでは、常に半額以下で販売されるタイトルが存在し、ユーザーは「今すぐ買わないと損」という心理に駆られます。
心理的要因
人間には『保有効果(または現状維持バイアス)』と呼ばれる心理的特性があります。一度購入したゲームは、たとえプレイしていなくても『いつかは遊ぶだろう』という期待感があるため、なかなか手放せなくなります。
このサイクルが繰り返されることで、どんどん『積みゲー』が増えていってしまうのです。これは単なる収集癖ではなく、潜在的な可能性に対する投資としての心理が働いているのです。
テクノロジーの影響
ゲームをインターネット上で購入し、遊びたいときに遊びたいゲームをダウンロードすることが一般化したことで、物理的な保管スペースの制約がなくなりました。数百本のゲームを所有することが、かつてないほど容易になっています。
ゲーム産業の構造的問題
近年、1年間にリリースされるゲームタイトル数は爆発的に増加しており、個人が全てをカバーすることは不可能なレベルに達しています。この状況が、「取り逃し不安」を生み、さらなる購買行動を誘発します。
効率的な消化戦略と実践的アプローチ
積みゲーを効果的に消化するための、シンプルで実行可能な方法を紹介します。
1. プレイ中ゲームリストの戦略的管理
同時進行するゲームは最大でも5~9本程度に制限
できるだけ異なるジャンルや難易度のゲームを選択(ローテーションで飽きを防ぐ工夫をする)
疲れている平日は気楽なゲーム、休日にじっくり遊べるものを、など状況に応じた選択
一定の間隔で進捗を振り返り、プレイ中リストを更新
2. モチベーション維持テクニック
各ゲームに具体的な目標を設定
例:「来週末までにクリアする」
例:「今月中にボス戦を突破する」
短時間でも毎日(少なくとも週に2,3回)続けることで、ゲームの世界観に入り込みやすくなり放置状態=準積みゲー化を防止できる。必要であればリスト内でローテーションする。新規に追加してもよいが同時進行中のタイトル数は制限内で。
達成したらご褒美を用意(新しいゲーム、課金アイテム、好きなスイーツを買う、お気に入りのカフェに行く、など)
ゲーム関連グッズを飾る
プレイ記録をつける
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3. 心理的障壁の克服
【重要】「完璧主義」から脱却
すべてのサブクエストをこなす必要はない
メインストーリーに集中
行き詰まったゲームは一時保留
別のゲームで気分転換
後日改めてチャレンジ
4. 時間管理のコツ
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1日30分〜1時間を固定プレイ時間に設定
可能であればゲームプレイをスケジュールに組み込む
スマートフォンのタイマーやアラームなどの機能を活用
「まとまった時間が必要」という思い込みを捨てる
集中できる環境づくり(通知オフ、静かな部屋)
データ駆動型ゲーム管理
PULSE(https://plsdb.com/)のようなゲーム管理プラットフォームを活用することで、これらの戦略をさらに効果的に実践できます。
積みゲーや、長く中断しているゲームは「やらなければ」ではなく「楽しむ」ことが大切。日々のゲームプレイをより楽しむためにも、便利なツールを活用した管理スタイルでモチベーションを向上しましょう。
管理ツールのメリット
プレイしたゲームの記録を残したり管理することは、積みゲー消化や日々のゲームプレイのパフォーマンスを向上しますが、手作業には以下のような課題があります。
記録の煩雑さ
毎回手作業でゲームの進捗を記録する手間
エクセルやメモ帳などでのアナログな管理手法は時間と労力を要する
長期的な継続が難しく、飽きたり面倒臭くなる
管理の限界
手作業では正確な統計が取りにくい
プレイ状況の可視化が困難
記憶や主観に依存しやすい
総じて、手作業ではゲーム管理が難しく、モチベーション低下の要因となります。一方でゲームが管理できる専用のツールを活用することで、これらの問題を解消しながら、プレイする意欲につながります。
筆者が愛用しているPULSEはWebアプリケーションなので、PC・スマホのブラウザから簡単に登録・利用開始できます。
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可視化による動機づけ
プレイ状況の明確な表示
達成感のフィードバック
視覚的な表示でコレクション欲が満たされる
全ての保存情報をプロフィールとしてSNSで共有できる
私が一番メリットを感じているのがここで、プレイしたゲームを綺麗なUIで並べられるので、視覚的な満足度が段違いです。そのまま共有もできるため、新しいフレンドやコミュニティの中でも一発で自分がどんなゲームをしてきたのかを伝えられます。
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手軽にプレイを記録
プレイ済み、プレイ中、積みゲー といったステータスを設定するだけ。評価やプレイ時間も記録可
ランキングなどのゲームリストも作成できるので、"来月までにクリアするリスト"などを作ってみてもよさそう?
データ分析
プレイしたタイトル数などの統計
ゲームのレビューと評価傾向の統計
過去にプレイしたゲームの振り返りと分析
筆者は日本語で扱える国内向けのゲーム管理ツールとしてPULSEをおすすめしています**が、海外にはHowLongToBeat.comなどプレイ時間に特化したものや、その他様々なゲーム管理ツールが存在しているものと認識しています。自分に合ったサービスを探してみるのもよいでしょう。
まとめ:積みゲー問題を根本から解決する
積みゲーを単なる負担と捉えるのではなく、ゲームライフを豊かにする機会として捉えましょう。改めて重要なのは、以下のポイントです。
1. 柔軟なプレイ戦略
固定観念から解放される
自分に合ったペースを見つける
ゲームを「こなす」のではなく「楽しむ」
2. モチベーション維持のコツ
小さな目標設定
達成感を定期的に実感
ゲームのローテーションを恐れない
便利な管理ツールを活用
最後に
積みゲーは全く問題ではありません。
柔軟な姿勢と適切なツールさえあれば、ゲームライフは劇的に変わります。
今日から、積みゲーを再定義してみませんか?
** 脚注:PULSEは2025年1月現在、既にゲーム管理に十分な機能を有しながらもベータ版として提供されており、開発が積極的に進められているものと予想されるため。また、上述したように、視覚的なフィードバックによるモチベーション向上が重要であることから、UIやデザイン性に優れている点を評価している。