本当に強いチームとは
中学校はハンドボール部に所属した。
地元の学校がたまたまハンドボールが強かったこと、母親が体育教師でハンドボール部の監督を務めていたこと。
そんな影響もあってか、僕は自然とハンドボールの道へ進んだ。
小学校時代とは違って理不尽な喧嘩はなくなったが、それでも部活動の中でもみんなと喧嘩したことがあった。
僕が、あまりにも勝ちにこだわるが故にだ。
そういう話をすると「向上心が強かったんですね」なんて言われるが、残念ながらそういうことではない。
単純に、「負けたくない」の一心だった。
とにかく負けず嫌いがハンパじゃなかった。
ハンドボール部への入部を親に大反対されたことが、負けず嫌いを増長した要因の一つだと思う。
勝って、強くなって、見返したかったのかもしれない。
そんなだから、熱量がすごかった。
試合に負けたのにちょっとでも笑ってる奴がいると、「ふざけんな!」と言っては食ってかかっていた。
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中学校時代は県で優勝し、九州大会へも出場していた。
高校に進学して所属したハンドボール部も強かった。
インターハイ、国体にも出場した。
そして、高校・国体の選抜チームでは、共に副キャプテンを務めていた。
そんな強いチームでも、チームメイトとは温度差があった。
副キャプテンというメンバーをまとめる立場にありながらも、みんなとバチバチやっていた記憶がある。
「勝つために、このくらい当たり前っしょ!」という勢いで、僕は超ストイックだった。
当時は、練習が厳しいのは当たり前で、体罰も普通だった。
鼻血を出しながら練習をする事もあったし、時にはおしっこに血が混ざっているようなことだってあった。
勝つことだけを目的に練習に打ち込んでいて、練習しない日なんて、1年間のうちにたった数日〜1週間ほどだったと思う。
今の時代、この部分だけを切り取ったら、正気か?と思われるかもしれない。
でも僕たちは真剣だったから、それでよかった。
いまだって、部活の顧問を務めてくれた先生への恨みなど全くない。
むしろ、感謝している。
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前置きがかなり長くなったが、この6年間のハンドボール生活で
「本当に強いチームとは何か」
「勝ち続けられるチームはどんなチームか」を学んだ。
本当に強く勝ち続けられるチームとは、
「どこからでも点が取れるチーム」だと思う。
たとえチームに超うまい奴が一人や二人いたところで、それは強いチームにはならない。
副キャプテンを務めるくらいだったので、僕はうまいやつのひとりだった。
試合では、僕ともう一人のエースみたいなやつが活躍することが多かった。
でも、僕ら二人が通用しなくなった途端に、試合に勝てなくなる。
地区大会では勝てても、全国大会では勝てない。
個の強さだけでは通用しないこと、強いチームではないことを思い知らされた。
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強いチームには何が必要か?
なぜ強いチームなのか?
まず、一人ひとりが自分の持ち場持ち場に責任感を持って望むことが第一。
そして、チームだから誰かに頼ることは必要だけれども、頼るだけじゃなくて、自らも動くことも必要だ。
例えば、攻めたことででた空きを、違うメンバーがカバーできるか。
パスを出したら、他の誰かが「いまだ!」と攻めれるか。
時には、チームが勝つために自己犠牲だって必要だ。
ひとりよがりのプレーや、自分が点を取りたいという意識だけではダメだ。
そういうことを、みんなで常に考えているチーム、それを実行できるチームが強いと思う。
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こうして振り返ってみると、スポーツにおいてチームとして勝つことは、企業として強く成長し続けることと似ているなと改めて思う。
僕はいま不動産業界にいるが、一人でとりあえず金だけ稼げればいいみたいな人たちの集団にはなりたくないし、したくない。
代表を務めるプロフィッツという会社では、不動産を通じて、買い手、売り手、世の中が三方良しになる世界の実現を目指している。
長期的な視点で持続可能なESGを考えた投資を取り入れようとするのも、そのためのひとつだ。
全体バランスの総和によって、持続可能になるし、強さも生まれると思っている。
たったひとりでは勝てない事業に今、チームで望んでいる。