集客の前にやるべきこと (4-1)
集客、たとえば広告を打つ。
「思いのほか反応があり、受注が増えた!」
ところが、「集客までは良かった。受注に生産や納品作業が追いつかず、ミスも出てクレームをもらった。」「現場が疲弊し、注文を取ると社内で嫌な顔をされた。」
そんな経験はありませんか?
集客が成功したのなら、それだけ切り取れば万々歳です。でも、振り返ると集客する前と利益は大して変わらなかったり、または、集客したことにより社内で思わぬ不具合が発生したり、ということもあり得ます。
自分の経験談で言えば、1顧客あたりに投入する時間が過剰になっていた時期があります。(もちろん、顧客へ時間を多く投入出来るに越したことはありませんが、時間を掛け過ぎていてはタダ働きになってビジネスにならないという意味において。)
そんな折、集客ではなく、顧客からの紹介により、新たな顧客を獲得するという最高の機会に恵まれました。
ところが、最高の機会にもかかわらず、嬉しくない。なぜなら、顧客が増えても大した利益にならないような仕事のやり方だったからです。しかも、これ以上仕事を増やしたくないという精神状態。
本来なら、紹介や集客により顧客が増えるということは喜ばしいことのはず。それが嬉しくないというのは、まったくもって避けたい事態。
こんな事態を打開するために必要なことは、集客後の仕事の見直しです。
形ある商品を扱うビジネスを例にすると、以下のような仕事の流れになります。
問合せ ⇒ 受注 ⇒ 生産 ⇒ 梱包・発送 ⇒ 納品 ⇒ 請求
この集客後の導線を見直すことで、ボトルネックを見つけて、集客により注文が増えてもパンクすることを避けることができます。
たとえば、「生産」に入る手前の「問合せ・受注の体制」についていえば、
顧客からの受注の方法として、電話、メール、FAX,ランディングページ、などから問合せや注文が入っていると思います。
問合せがあってから、受注して生産へ入るまでの導線は、最短になっているでしょうか。
いくら生産体制が万全でも、見込み客の問合せに対して、レスポンスがもたついていては、その万全の生産体制を持て余してしまうという非常ににもったいない状態です。
客からの問合せや注文を、生産部門へつなぐ、フロント部門としての体制を整える余地がないか検討してみること、もしやったことがなければ、一度立ち止まってでもやるべきです。
もしも、見直しの結果ボトルネックが見つかれば、それを改善することによって、集客のために広告を打たなくても、利益アップが実現できる可能性は十分にあります。
この「問合せ・受注後の仕事のプロセス」を見直して改善することで、今までと同じ時間でも、数量Qを増やすことができるキャパシティがうまれます。この状態で集客を行えば、集客により注文が増えただけの粗利を獲得できる。集客のやりがいもある、と言えます。
前回までのStep3で、自社の重点注力商品つまり、稼ぎ頭として粗利MQを最も稼ぎ出せる商品サービスとはなにか、このことについて書きました。自社の稼ぎ頭である商品サービスとは、もっとも売上が大きなものではなく、粗利が大きなものであるということです。
今回から、step4として、粗利の大きな商品について、現状からさらに粗利MQを最大化する策を洗い出していくための思考についてお伝えしていきます。
今回は、step4-1として、
集客、すなわち商品の注文を増やすという数量Qアップをテーマに書きました。
「集客さえあれば・・・」と言う前に、そもそも集客後の顧客・注文の受け入れ体制は、充分整っているでしょうか。その見直しをぜひ、やってみてください。
今回はここまでです。また次回の記事で。