経費の削減は、会社の寿命を縮める(3-2)
景気が悪くなれば、会社経営上、まず「経費削減」と言われがちです。
でも、経費は少なければ少ないほど良いか、決してそうではありません。
なぜなら、経費を絞れば絞るほど、会社の寿命は短くなるからです。
こんにちは。松本充平です。
今回は、経費(固定費)をテーマにします。
3−2 固定費Fとは、粗利MQを増やすための投資である ~ 利益Gよりも、「粗利MQ」 ~
そもそも、経費(固定費)とはなにか。
事業の損益は、「”収益”ー(マイナス)”費用”」で計算されます。この費用のうち、収益である売上に直接関係のある費用を”原価”と呼びますが、この原価以外の費用がすべて”固定費”、すなわち”経費”です。
経費削減といえば、すなわち、この固定費Fの削減を意味します。
経費削減は、固定費Fを小さくすることですが、利益G拡大のために積極的にすべきでしょうか?!答えはNOです。
固定費Fのなかには、従業員給料や広告費、開発費用も含まれます。
これらの費用は、少なければ少ないほど、その事業の将来性は薄いと言えます。
なぜなら、これらの費用は、将来の事業への投資金額だからです。
今現在の“成果” = 過去の行動・投資の結果!
事業を継続していくこととは、プロダクトライフサイクルの山を如何に長く保つか、ということと同じでしょう。
プロダクトライフサイクルのグラフは、ある商品について示されたものですが、プロダクトを生み出す事業そのものにも当てはまるグラフでしょう。
事業を長く継続するには、新しい商品サービスを生み出しつづけるのか、今ある商品サービスを改良しながら進化させていくか、ということになってきます。
ただただ今年だけの利益Gを如何に大きくするか、ということが事業の目的ではないはずです。
それよりも、継続的に利益Gを確保しながら、あなたが思い描く、理想の仕事のスタイル、時間の使い方、顧客との関係性、顧客満足、従業員満足を目指していくことが最終目的のはず。
それには、戦略的に事業への投資、つまり固定費Fを必要なだけ確保し、粗利MQの拡大につなげることが必要です。
その拡大した粗利MQのなかから、さらに事業への投資を行うサイクルによって、理想の粗利MQの大きさへ近づいていくことになる。そして、事業は継続していく。
まとまった資金により設備投資などを行う場合には、短期的な固定費Fに資金を投下するより、固定費Fを押えつつ、
利益Gを大きくすることも必要になります。
要は、どういう戦略をとっていくかによって、固定費Fに資金投下するのか、利益Gを大きくするのか、というバランスが決まっていきます。
いずれにしても、粗利MQを確保していなければ、その選択はできません。
こういった観点からも、利益Gよりも、粗利MQの拡大にフォーカスする必要があることが分かると思います。
このように、固定費Fは全てが削減ありきではなく、投資としての側面から必要な金額を確保することが必要であり、ひいては粗利MQの拡大につながるということです。
そして、利益Gを大きくするには、まず粗利MQを大きくする必要があること。このことを頭に置いて頂ければと思います。
今回はここまです。ありがとうございました。