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大学教授になって英語を教えよう!: 上司の問題(番外編)
上司の存在とは?
企業にお勤めの方、あるいは公務員の方は日々職場で上司とのコミニケーションがあると思います。基本的に、上司からの命令は絶対的であり必ず受けるべきものではないでしょうか。また、その指示に表立って逆らう事は基本的に許されないでしょうし、もしも面と向かって逆らえば、のちのちの人事考課で不利な評価をされる可能性もあります。
今日でも同僚たちと雑談する、あるいは飲みに行ったりしても、話題に上がるのは、上司の愚痴ということが多いようです。どうやら上司の問題というのは昔からありますし、永遠の問題のようですね。
上司とは毎日顔を合わせますし、また職場の部屋の中でも否が応でも上司のデスクは目に入ってくるのではないでしょうか。日々の業務の報告を上司にしなければなりませんし、上司に仕事上の決済を仰がなければならない頻度も多いと思います。
いい上司に巡り合った経験はありますか?
さて、皆さんはいい上司に巡り会ったことはあるでしょうか。会社員や公務員の方に聞いても、「ああいい上司に巡り合ってよかった!」という話はほとんど聞きません。過去に公立高校の教員をしていたことがありますが、学校の組織では学年主任、教頭、校長と上司がおり、また校務分掌でたとえば生徒指導部長など各種委員、各部の長がいますが、そのような人たちもある意味で上司でした。私自身の過去を振り返っても、本当にあの人はいい上司だったと思える人はほんの一握りでした。
なぜかわかりませんが、世の中いい上司に恵まれる確率は大変少ないようです。これは組織構造的にそれなりに理由はあるようなのですが、今回はふれないでおきます。
ところで、企業や役所の場合上司のおぼえが悪いといろいろと人事考課で不利になると書きましたが、単に給与が減る、あるいは降格になるというだけではなく意思に反しての転勤もあります。とてもストレスフルな環境だと思います。
大学教員に上司はいないの?
さて、大学教員はどうかということですが、大学教員の場合大学そのものがキャンパスが1つであったり、たとえキャンパスが複数あっても近隣地区にあることがほとんどなので、基本的には人事的な報復で転勤させられることは基本的にあり得ません。会社員の方、あるいは公務員の方で、すでに持ち家をもっておられた場合、意に反した転勤のため現在の家を売却したり、赴任先でまた物件を探したりという作業が生じたり、それにともなう金銭的損失やストレスが生じることがあり得ますが、大学教員についてはまずこのようなことはあり得ません。この意味で、一般論として大学教員は家族を含めての人生設計がやりやすい職業といえるでしょう。
ただし、原則的に就任した組織内でずっと仕事をして過ごすことになるので、職場での人間関係でストレスフルな状況があれば、そこから逃れることができないという問題があります。そのような場合には別の大学に移るという手を考えなければなりません。
大学教員にとっての上司
大学では、実際のところ教員に対してさまざまな指示をしてくる上司というものはほとんどいません。通常、学部にはさらに学科がありますが、学科内にさらにコースがあったりします。すると自分の上には学部長、学科長、そして時にコース主任などがいると思いますが、こういった役職者から教員個人に対して命令や指示が下ることはまずほとんどありません。
たとえば、学部や学科での役割分担、委員の指名は必ず事前の打診があります。たいていの場合にはその打診を断ることができます。上に書いたような役職者はそれぞれの組織内での会議で役割分担や仕事の指示を提案し、一応は合議のうえでいろいろな役割分担や仕事の指示が降りてくることになっていることが多いと思います。もちろん、そのような会議の場で、打診された役割分担や業務を断ることも可能です。
なお、学部長や学科長はその組織内で選挙で決まる場合もありますが、トップダウンで学長その他大学の経営陣からの指名で決まる場合もあります。ただ、選挙の場合でもトップダウンでの決定の場合でも、構成メンバーが「この人がいい」と思っている人が選ばれることは少ないような気がします。選挙の場合にも裏で何かと工作があることが多いようです。このあたりのことは別の機会に書かせていただくことにして、ここでは詳しく語ることはやめておきたいと思います。
結論
ということで総合的に考えると、特に上司にによるパワハラなどは、一般企業や役所と比べると、大学では「基本的に」少ないといえるでしょう。
この意味でも大学での専任教員職はおすすめだといえます。
追加情報:
と、上のように書いてはみたものの、やはり学部長や学科長などの上司が有無を言わさず業務を押し付けてくるという大学も実際のところあるにはあります。私の複数の知り合いからもこの種の大学の情報は入ってきています。残念ですが、実際に着任してみて職場がブラックだと感じたら、また別の大学に移る準備をせざるを得ません。また、大抵の場合、ブラック情報はネット上からも入手できるケースが多いように思います。なお、ブラックとわかっていてそのような組織に飛び込んでみるという戦略もあるのですが、それについては別のところで説明したいと思います。
それではまた次回の記事で。