格闘技の試合と眼窩底骨折の話(治療記その1)
何回かに分けて僕が眼窩底骨折をして、その手術後から格闘競技への回復課程の話を書きたいと思います。(もし今、眼窩底骨折した患者さんがいるのであれば、この内容が何かの参考になれば嬉しいです。)
今回は僕が2018/10/28に
格闘技大会(肘なしキックボクシングルール)に出場した話。
僕は年に2回~6回くらいは格闘技の試合に出ます。
試合のルールは
「[打撃系]肘なしキックボクシングルール(K-1に近いルール)」
「総合格闘技ルール」
「ブラジリアン柔術(寝技のみ)」
といろいろやるんですが、
今回は「キックボクシングルール」の大会に参加しました。
一応、所属道場の主催で開催される大会を優先で出場します。
(やっぱり、自分の道場の門下生が活躍した方が体面がいいですから)
その大会のトーナメントでの決勝戦で事件というか事故が起きました。
試合開始早々に相手のパンチをまともにもらってしまい。
眼窩底の骨が折れました。
僕は右目に軽い視覚障害があって、
「右目が時々僕の意思と無関係に一瞬外側を向く」というモノです。
これは以外と面倒なヤツで、小説を読んでいる時に発生すれば、
小説の1番右上の文字と1番左下の文字とかが、いきなり入れ替わったりします。
どうも試合中にこれが一瞬出たみたいで、不用意に相手の1発を左目にもらった瞬間に左目の眼窩底の骨が骨折。
眼窩底骨折って折れた瞬間
「目玉が飛び出しそうな痛み」がある
ので、すぐにわかりました。
左目の視界が「上下に割れ」目の焦点が合わなくなる。
正常な右目の視界と「上下に割れた左目の視界」で焦点が合わず
(相手が3人に増えて)見える。
ちょっとしたミスで、まねいたピンチ。
軽い極限状態。
……でも、所属道場主催の大会なんですよね。
勝たないと団体の名折れになります。
「お前、勝ったと思ってるんだろ‼今から俺が根性あるとこ見せてやるぜ‼‼」
と思い試合を続行。
ここまで、視界が激しくぶれていると、戦い方も変えざるをえません。
マトである相手の顔が3つにぶれていると
・そもそも、片方の目がまともに見えなくなると遠近感が極端に狂うので、止まっていて回避動作をとっていない相手にすら攻撃を外してしまう。
・(ハイキック)は蹴りたくない。
外して相手の肩に引っ掛かって転んだら視界がさらにぶれそうだ。
・相手のパンチを相手腕の内側に滑らすようにサバき間合いをつめる(ベリーショートのカウンター)。
パンチと的である相手のアゴが視界不良で目測があてにならないから失敗の確率が高い。
僕がチョイスしたのは
(腹部への三日月蹴り)と
(コンパクトなワンツー)からの
(拳を横拳でアゴに打ち込む)という攻撃でした。
工夫のかいあって、なんとかその大会は優勝しました。
……そして、その後に僕はその代償を払う事になるのでした。
眼窩底骨折した際には早めに医師の診察が必要です。どの病院を受診したらいいかわからない方はコチラ↓(治療記その2)
(眼窩底骨折から1年経過したオマケ日記↓)