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【コンサル志望者、内定者向け】元MBBが厳選して10冊に絞ったおすすめ書籍

本記事では、戦略コンサル出身の著者がおすすめ書籍を10冊紹介します。
コンサル系の書籍は有名どころは全て読んだ上で、最も役に立った実感のある10冊に絞りました。

【著者の略歴】
京都大学から新卒でBain&Companyに入社。金融、電子機器、ヘルスケア領域の企業への、収益性改善、組織改革、買収提案などのプロジェクトを経験し、同社を卒業後、人材領域で創業。学生時代はITコンサルでの長期インターンも経験。


発想、構造的思考、コンサルティングスキル、という構成である理由


粒度を揃えることを優先するなら、思考(論理、論点、仮説、MBA的な経営学)とテクニック(ケース実践、ビジネス知識)などになりますが、ここではそれよりも解像度の高さ、メッセージとしてのシャープさを優先しました。

論理ってBig wordで、いろんな種類・切り口の論理があるので、コンサル(あるいはビジネス)という領域に限定すれば、「構造的思考」と言った方がクリアだと思います。

バーバラミント氏が言う通りビジネスはほとんどが帰納であり、前提として置いた公理の範疇で机上論的な研究を進めていくのではなく、渾然一体とした現実世界の出来事を観察し、分解し、構造化する営みが大部分を占めていると思います。

まず、産業革命が起こったイギリスでは大陸合理論ではなくイギリス経験論が優位であり、イギリス人が作った国であるアメリカが世界随一の経済大国になった背景には、帰納優位、アクション優位のイデオロギーがあるのではないかと思います(大雑把で乱暴な論展開ではありますが…)。

ただ、構造化は再現性が高く、正しく実行すれば(ほとんどの場合)みんな似たような結論に至ることから、結局最も価値が高いのって、「証明できそうな面白い仮説」であると思っています。

その中で、「ビジネス的な意味での仮説」って結局はOJTで使う中で理解度が上がっていく”ツール”なので、書籍によるインプットで引くべきレバーは「仮説思考」というより「発想力」の方だと思い、発想(0→1)というフレームを設定させていただきました。

以上を踏まえ、「発想(0→1)」と「構造的思考」がまず土台にあって、その上に乗っけるテクニックをコンサルティングスキルと設定しました。


発想(0→1)

1. 経営参謀が明かす 論理思考と発想の技術

Bainの元日本代表で大前研一の弟子である後正武先生の本です。

星の数ほどある論理的思考系の本の中で、最も良いと思った本がこちらになります。

学術的な意味での論理を出発点とするのではなく、著者の実務経験をベースに論理的思考を体系化しているので、まずこちらの本を読むことで、コンサル(ビジネス)において有用な思考力の全体像を掴むことができます。

タイトルにもある通り、後半部分では「発想」について解説されており、次におすすめする川喜多二郎氏の「発想法」への導入パートだと思って読むとよいです。


2. 発想法

京都大学で文化人類学の研究をしていた川喜多二郎氏の代表作です。

彼が発明、体系化したKJ法は、現在フィールドワークを伴う学術研究のスタンダードとなっており、世界中で使われ続けています。

要は、一次情報、観察事実からボトムアップで仮説を作る方法論なので、コンサルティングとの親和性が大変高い発想法になります。

「文章」と「概念図」それぞれの強み弱みとシナジーのある使い方の解説が個人的にはぶっ刺さっており、コンサルティングにとどまらず人生全体で使い続ける有用な武器になりました。


3. アブダクション: 仮説と発見の論理

天才科学哲学者のパースが提唱した学説を、私のような一般人でも理解できるよう嚙み砕いて書いてくださったありがたい本です。

先ほどの川喜多氏の本とは真逆のアプローチによる仮説の作り方を解説しています。

・普通の人がりんごが落ちるのを何億回観察しても万有引力は発見できない
・天体観測データを大量に集めても円軌道を前提としていたので誰も定式化できなかったが、ケプラーだけが楕円軌道の仮説を立てて先人が集めたデータで検証したら正解だった

要は、科学的真理の発見は、素材となるデータのロジカルな分析や大量実験による統計的アプローチではなく、必要量の観察結果は前提としても、「理論・枠組みへの仮説」の閃きが先行する必要があるとし、

その「閃き」を言語化・形式知化するのはぶっちゃけ前人未踏だけど、こういう心構えを持つと閃ける確率上がるよね?を解説した本です。

先述の2冊より抽象度高め難度高めですが、読み物としても面白いので是非。



構造的思考

4. 考える技術・書く技術

マッキンゼーのライティング部門で活躍されていたバーバラ・ミント氏の著作で、コンサル系の本の中では難度が高い本です。

なので、入門編の青い表紙の本から入ってもいいですが、あれだとこの本のエッセンスを取りこぼしていて、有益ではあるものの別の本だなという印象を受けました。

ピラミッドストラクチャーという概念自体は非常にシンプルで簡単に理解できるのですが、実際にピラミッドストラクチャーの質を高くするには技術が必要で、その技術を形式知化できている点がこの本のすごいところだと思います。

また、SCQAというフレームワークも大変に有用で、実務で頻繁に使うので、入社前、あるいは実務と並行で読み砕く価値が高い良本です。

S(状況):既知情報、「そうそう」、「当たり前」
C(複雑化):新情報、「やばい」、「大変」、「どうしよう」
Q(問い):この問いを解ければ解決
A(回答):これが答え

です。

QとAに分けて思考、議論するのは当たり前(いわゆる論点思考)ですが、Qの前段をS(状況)とC(複雑化)に分解することで、分かりやすくなるよね?ってメッセージですね。

私も実務と並行してはじめて深く理解できたので、よくわからなかったらとりあえず本棚にしまっといてもよいと思います。


5. 超・箇条書き

A.T.Kearneyでのマネージャー実務と東京農工大学での研究を並行されていた杉野幹人さんの本です。

こちらの本は超絶分かりやすいです。

超絶分かりやすいにもかかわらず本質的で有用です。

議事録とメール作成は、全てこの本の通りに型稽古するのが最短ルートなので、ベーシックなコンサルスキルを付けたい方はマストで読むべきだと思います。



コンサルティングスキル

6. イシューからはじめよ

元マッキンゼーで脳科学者でヤフーCSOなどを歴任されている安宅和人さんの著書です。

元々は生産性の高い科学者/コンサルタントについて書いたブログがバズって書籍化されたもの。

個人的には、書籍よりブログの方が好きです。

書籍は、多くの人に届かせるために余計な具体例やHow論で水増しされていて、安宅さんのピュアなインサイトが見えにくくなっていると感じます。

・アウトプットイメージをクリアに、具体的に持つ
・クリティカルなものから手をつける

言うは易く行うは難し、の典型例ですが、まずはコンセプチュアルな理解だけでもしておくべきなので、自分の言葉で説明できるようになるまで読み砕くことを推奨します。


7. 企業参謀

みんな大好き、Mr.マッキンゼーこと大前研一氏の世界的ベストセラーです。

彼は原子工学のエンジニアとして博士号まで取得しており、マッキンゼーに転職した時には30歳を過ぎていたことから、経営を物理学のフレームにどんどん当てはめていった結果、革新的なコンサルティング理論が生まれ、マッキンゼーグローバルのスタンダードになったとのことです。

なので、問題を定量的に分解する方法が言語化されている印象です。

残業時間が長い、という問題に対して、「残業時間を減らすために何をすべきか?」という問いを立てて思いつく限り施策を挙げても安心感が全く出ない。
有用な問いは「業務量に対して人の数は十分か?」である。

企業参謀本文より抜粋

他にも、ニュージーランド沖のイカ漁船のケーススタディがまさに、利害の不一致による問題を定量化、構造化によって折り合える点を探る良例です。

ぜひ読んでいただきたいです。



8. 意思決定のための分析の技術

経営参謀が明かす 論理思考と発想の技術と同じく後 正武先生の著書です。

こちらはコンサル界隈ではTier2くらいの有名度で、分析の本なので、内定者の課題書籍として選ばれることも多いです。

体系的かつ具体的で、アナリストとしてのソフトスキル、要は分析を設計する能力が何なのか?を理解できるので、推薦書籍になるのも非常に納得感があります。

ただ、ケース面接とはあまり関係無いので、内定獲得後に読んだ方がいいと思います。



9. プロフェッショナリズムと問題解決の実践

元マッキンゼーでDDブティックファームの創業者のトーキョーハーバーさんが著者です。

タイトルの通り、概念論ではなく現場で使える実践的な知識を伝えることを目的としており、すぐに役立つ金言が詰まっています。

・コンセプチュアル思考で価値を創出し、アナリティカル思考で創出した価値を固くする
・ただのサマリーをシンシシスと混同しない
・論点には必ず「べき」を入れる
・仮説が立たないのはあり得ない
・あえて仮説を持たず情報の海に潜るべき時もある

などです。


10. いたいコンサル、すごいコンサル

カーニーとベインの両方を経験しており元売れっ子パートナーである長谷部智也さんが著者です。

こちらの書籍の良さは、コンサルPJが実際にどう進むのか?何が価値なのか?への解像度が飛躍的に向上することです。

どんな仕事であれ「2つ上の職位の視座で仕事するとよい」という一般論がありますが、コンサルでも同様で、こちらの本はパートナーの視座で書かれているので、自分の視座を上げるために大変有用です。




まとめ


どの本も私にとって救いとなった大変有益な本で、著者の方々への感謝が尽きません。

もしご縁があれば、みなさんの推薦書籍もぜひ知りたいです。

また、Prismでは、コンサル転職を志す方向けに、キャリア支援サービスを提供しています。
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よろしくお願いいたします!

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