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今話題の侍タイムスリッパーを見てきました?!! 娯楽映画本来の原点に回帰した映画!!

こんにちは。

先日、今、巷で話題の「侍タイムスリッパー」を見てきました。土曜日でしたが、館内はほぼ満席、どちらかというとシニア、中高年の方が多かったようでした。
すごい人気ですね。

というのは、この映画、実はなんと元々は自主制作映画なんだそうです。それが、現在は全国326館(11月5日現在)で上映されており、10月21日付の映画ランキングでは、なんと「5位」だそうです。興行収入も4億円を突破して、日本映画としてはまずまずのヒット作となっています。

自主映画ですから、制作にあたっては、スポンサーもつかずに、監督である安田淳一さんが全てお金を出して作っています。
「東映の皆さんの心意気に助けられて、僕の預金1500万、文化庁の補助金600万、車を売ったお金が400万で製作費2500万円をつくりました。」

そして、さらにこのコメントが泣けてきます。
「全ての経費を払い終わると、通帳残高は6275円になっていて、映画は興行が終わるまではお金は入らないのでまだ1円も入ってきません。宣伝するのも持ち出しています。」

誰かスポンサーになってあげてくださいw

そんな「侍タイムスリッパー」の制作秘話もなかなかドラマティックのようです。

ある日、安田監督が東映京都撮影所の遠藤プロデューサーから呼び出され、「侍タイムスリッパー」の脚本が大変気に入ったので、時代劇のない7月、8月だったら撮影所を使って撮影してもよいと言われたそうです。
そして、その後、主役2人を決めて、制作スタッフを集めて7月10日についにクランクインしました。

ところが、撮影期間は結局12月まで伸びて、5ヶ月に渡り、稼働日数35日以上にのぼる大作になったようです。京都撮影所の人たちの間では「終わらない大変な現場」と噂になっていたそうです。

そして、2023年10月に無事、京都国際映画祭で本作を披露することができました。その後、インディーズ映画の聖地、池袋シネマ・ロサで上映が決定したことを契機に、シネコン数社、単館の劇場に広がり、ギャガが配給で入ってからは、爆発的に上映館を増やしていきました。もちろん、それだけお客さんの入りも良かったということです。

さて、映画の中身の話をします。

まず、ストーリーを簡単に紹介します。

「時は幕末、今日の夜、西経寺の山門前で会津藩士高坂新左衛門と相棒は身を潜めていた」というシーンから始まり、ほどなく、主人公である高坂新左衛門は現代にタイムスリップしてしまいます。そして、その場所が京都の時代劇撮影所の一角であったという、ウィットの効いた展開となります。
その後、主人公は現代で時代劇の切られ役として生きていく中で、笑いあり、感動あり、そして驚きありという物語です。

以下が監督、キャストの情報です。

監督:安藤淳一
映画制作以外に米などを生産する農業従事者をしています。2014年に自主映画「拳銃と目玉焼」を制作、2017年には「ごはん」を製作して、シネコンやミニシアターで上映されています。「侍タイムスリッパー」が3作目となります。

高坂新左衛門役:山口馬木也
「剣客商売」など、時代劇への出演が多い俳優で「メソッド法」と言われる演技技法を完全に体得しているそうです。


風見恭一郎役:冨家ノリマサ
「おしん」の長男役でデビューした実力俳優さんだそうです。


山本優子役:沙倉ゆうの
安藤淳一監督の作った未来映画社の看板女優だそうです。劇中で助監督を演じつつ、実際の撮影でも助監督、制作、美術、小道具などスタッフとしても活躍していたそうです。


130分ほどの長編ですが、見ていて全く中だるみするところがありませんでした。常にストーリーの展開をワクワクしながら見ることができました。失礼ながら、往々にして日本映画では、敢えて中だるみをストーリーの重み?をもたせるために挿入する場合がありますが、本作についてはそうしたところはなく、最初から最後まで速めのテンポで楽しむことができました。

基本的にはコメディかと思います。ただ、そのコメディが、昔の日本喜劇映画を見ているようで、定番なんですが、見る人のツボを絶妙についていて、とても良かったと思います。要は、笑いたくさんあり、泣きあり、ずしりと感動ありのとてもテンポの良い映画でした。

一癖も二癖もある複雑な映画が多い昨今で、こうした、映画は楽しむもの、という原点に回帰した映画だから、これだけうけたのだと思います。見た後に幸せにさせてくれる映画です。
是非、まだの方はご覧ください。

それでは。

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