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PieceCHECK(2023-41) 2023年良問BEST15(12位) 漸化式と極限

いつもご覧いただきまして、ありがとうございます。KATSUYAです。
夏休み期間中は2023年良問BEST15と題して、2023年に出題された入試問題のうち、解く価値のある良問と思ったものをランキング形式で紹介していきます。


お知らせ

拙著シリーズ『Principle Piece 数学B・C~式と曲線~』
販売開始しました!(23/07/20)

今回の問題

YouTube動画をUPしました。2023年良問BEST15の第12位は横浜国立大学理系で出題された漸化式の極限の問題です。

思考時間は10分弱、目標解答時間はそこから約15分です。

こちらの記事では、動画の中で紹介した解説(答え)を少し丁寧にした答案を、静止画像にて掲載しておきます。

解答

解説・原則など

一般項不明の漸化式の極限を求める問題で、難関大以上であれば毎年のようにどこかしらで見かける頻出パターン。入試までには必ず演習したい問題です。

(1)~(3)全体を通して流れを原則で紹介します。

一般項不明の漸化式の極限は収束値候補$${\bm \alpha }$$を求めて$${\bm{|a_n-\alpha |}}$$に関する等比数列「的」不等式を

詳細は拙著シリーズ『Principle Piece 数学III~極限~』(近く販売予定)p.59

この流れさえ演習を通して頭に入って入れば、(1)~(3)の見通しも非常によくなります。
(1)は候補を求めている段階です。根号付きなので同値関係が保たれない部分などありますが、必要条件として出して十分性を確認しましょう。

(2)は等比数列的不等式を作るための準備です。$${a_n-\alpha }$$の符号が決まることで(3)で式変形がラクになることが多いです。証明はn絡みなので帰納法がいいでしょう。

自然数に関する証明+結果が分かっている→帰納法で

詳細は拙著シリーズ『Principle Piece 数学B・C~数列~』p.66

(3)がメイン。$${a_n-\alpha }$$に関する等比数列的不等式を作るために、$${a_{n+1}-\alpha }$$を変形していきます。根号を含むので、分子の有理化による式変形でうまく$${a_n-\alpha }$$が出ますので、それについている式(公比的なもの)が1未満の数値以下であることを示せば勝ち確ですね^^

別解で示したように、平均値の定理でも解けます。分子の有理化による変形が出来ないような漸化式でもこちらであれば通用します。
極限候補$${\bm \alpha }$$は$${\bm{f(\alpha )=\alpha }}$$を満たしますので、必ずこの形に出来ます。

一般項不明の漸化式の極限は→比の形にして平均値の定理を適用可能

詳細は拙著シリーズ『Principle Piece 数学III~微分法1~』(近日販売予定)p.57

どちらのやり方も、これを機に覚えておきましょう

1.解けた人・・・今後の勉強はじっくり演習をしましょう。

2.解けなくて原則を知っていた人・・・拙著『Principle Piece』シリーズで該当するページを熟読し(詳細が書いてあります)、入試演習用の問題集で思考時間を長くする演習をしましょう。

3.解けなくて原則も知らなかった人・・・原則集めからやる必要があります。拙著『Principle Piece』シリーズのような原則習得タイプの問題集で演習しましょう。


Piece CHECKシリーズは、出来あがった答案からは見えない部分を解説していくことで、「なぜそうやって解くのか」「いったいどこからそんな答案が生まれるのか」が分かることを意識して書き上げた参考書です。

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