見出し画像

#高安動脈炎闘病記 9

9.マイナスへの挑戦


ある程度目安の状態まで進んだら手術、という旅が始まった。
今集中してやることは、とにかく身体のむくみをとることだ。
入院時の体重は91kg。よくもまあここまで太ったなと日頃の不摂生をカタチだけ後悔しつつ、薬と減塩食で水を抜くこととなった。

1.利尿剤の投与
1日2回の点滴でマンニットール、1日3回の注射でフロセミド、さらに朝食後の錠剤で利尿剤を服用。
この点滴と注射がすごい。とにかくすごい。
特に注射は打った5分後にはトイレに行きたくなる。そこから2時間近く尿意が続く。定期的にそれを入れるもんだから、なんだか面白くなってもきた。人体の不思議と医学の神秘を身をもって味わっている。
ちなみにドーピング検査に引っかかるタイプの薬らしい。そりゃそうだ。

2.減塩食
成人男性が1日に摂る塩分量として、厚生労働省は7.5g未満を基準としている。入院食はそれより低い7gを常食として設定されていたが、さらに1g減らした6g/1日の食事になった。そのため、塩気よりもあまみや酸味で味つけられた料理となるが、レモン丸かじりすら余裕な僕にとっては意外と苦ではなく、むしろ楽しく減塩食生活を送ることができた。もちろん、それは作ってくださる方々の努力と研鑽のおかげでしかなく、普段顔を合わせることのない厨房の中の人たちに会うことがあれば、僕は菓子折りを持って出向きたいくらい感謝している。

主にこの2つを経て、毎日1〜2kgずつ体重を落とした。3月の終わりごろには機械の点滴が外れ、この方法に変わった。はじめは落ち幅も大きく、正直結構つらい治療ではあったが、毎回針を刺し直すわけでは無くプラグ?のような針が常に入った状態で生活を送るので、あとはそこから点滴と注射を入れるだけだった。

入院生活、時間があるなんて思っていたが、注射や点滴、リハビリに検査など思いの外スケジュールが詰まっていて、今思えば細かい変化でも見逃さない程チェックして頂いていたのだろう。
3月29日には88.7kgあった体重は、4月13日には70kgになっていた。
わずか2週間で、20kg弱痩せた。
個人的推移でいえば、
18歳の頃のサイズ感。

元々決して痩せている方でもないが、にしても水溜りすぎじゃない??
思わぬ副産物で、標準体重範囲内の身体を取り返すことができた。


そして、とりあえず手術の目処が立った。
手術日は、4月19日だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?