祖母と私の二人旅①
私の兄はイタリアに長い事住んでいます
もう30年位前からです
身勝手に行ってしまった兄
渡伊した後 3年は音信普通になりました
ある時連絡があり生存確認できました
欧州と何ら縁のなかった私は
イタリアの知識も興味もありませんでした
「兄貴は無茶苦茶するなぁ 昔からだけど」
私が17歳の頃
祖母が私につぶやきました
「あたしもイタリアに行ってみたいね~お前は行ってみたくないかい?」
「うううん 全然 遠いし イタリアに興味ないしさ~」
「そうなんだね・・・あたし一人じゃいけないのよ」
「え?・・・」
こうして祖母と私の2人でイタリアへの旅に行く事となりました
欧州への渡航歴のあるはずもない私は
”ちょっと大変な事になりそうだぜ”
祖母の頼みを聞いたは良いものの少し不安でした
出発当日
交通機関の時刻を守って成田まで到着
しかし空港内はごった返していて歩みのゆっくりな祖母では
とても乗らなければならない飛行機に乗り遅れてしまいます
大きな荷物を携えて高校生の私も頑張りますが
搭乗口まで距離がかなりあります
「おばあちゃん!急げる?」
「・・・・・・・!」
2人とも慌てていて余裕がない
何とか搭乗口に到着しましたが 「大丈夫 おばあちゃん?」
「!!・・・・・・・」既に疲労感ただよう祖母はうなずくのみです
うなずきながら祖母が 何かを凝視しています
視線を追うと
・・・乗るはずの飛行機が建物を後にしてバックしています
「あ~っ!!!!?????」
「どうなさいました!!!?」グランドスタッフが声をかけてきました
「あの飛行機に乗り遅れました・・・」わたしが指さすと
グランドスタッフはえ~~~っ!!!?っという表情で
慌ててトランシーバーでやりとりしてくれました
しばらく超ドキドキしながら祖母と待っていると
「・・・次の便に乗れるよう手配しました!」
助かりました! やってくれましたグランドスタッフ!
その手配してもらった飛行機に乗った後は順調
ただ一つ驚いたのは事がありました
欧州で一回乗り換えなければならなかったのですが
乗り換えたアリタリア航空という会社の飛行機に搭乗し
出発を待っている時です
一向に他の乗客が乗ってきません
祖母と私だけです
”え~~~っ?何?”私ハラハラドキドキがまた発生です
~何か間違えたのかな~この飛行機じゃないのか・・・・・?”
キャビンアテンダントは3人いますが誰も話しかけては来ない・・・
アナウンスが入りました
「hiahaocj jijjwjwjec jwjvwpev~」
祖母は「ちょっと 何て言ってるか教えておくれ」
イタリア語?解るはずありません
不安をよそにハッチが閉まる音がします
え~~~っ?乗客二人?われわれ大統領じゃあるまいし
大赤字じゃない!?
高校生の私でさえ経営状況が心配になりました
(アリタリア航空 現在も健在です)