夕日の短さについて

平野で育った。西に行けば、海。見えるほど近くではないけれど、とにかく、建物がない場所に行けば、夏の夕日は、最後まで見られた。緯度が高かったので、ますます、夏休みの間、晴れている日は、夕日の色を味わっていた。

転じて、現在住んでいるのは、盆地である。西には、アルプス連峰が控えている。冬の夕日は、4時にポトリと山に隠れる。夏でさえ、雲と稜線で、太陽とは早目にさよならをする。

秋のお彼岸を過ぎても、半袖が続く。気温は夏のようでも、日は短くなる。
冬至を過ぎて、春の日差しになってきても、夕日はポトリと落ちる。

この土地に来て20年、美味しいものや綺麗な空気には恵まれているので、気に入って住んでいるが、誰が何と言おうとも、日の短さだけは、慣れることができない。


#今こんな気分

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