見出し画像

「既視感の正体」-エッセイ

「あれ?ここ初めて来たはずなのに、何か見覚えあるような……」
そんな経験をしたことってありませんか?

デジャヴや既視感などと呼ばれるこの現象は、実際は一度も体験したことがないにもかかわらず以前にもどこかで体験したように感じます。

多くの人が一度は経験したことがあるこの現象。単なる錯覚では済ませられないほどのリアルな「過去の実体験」としての感覚が伴うので「何か悪いことが起こるのでは?」と不安を感じることもありますよね。

私自身も以前は、既視感を覚える場面に出くわすたびに「またこの感覚だ。……何かやだな」と、原因の分からない謎の感覚に少しネガティブな印象を持っていました。

でも実際には、既視感というのは脳が一時的に誤作動をしているだけで、特に恐れる必要はないのです。

既視感のメカニズム

既視感を感じる背景には、脳の「記憶システム」が深く関与しています。
私たちの脳は日々膨大な情報を処理し、必要な情報は記憶として保存し、不必要な情報は忘れるように働きます。
具体的には、記憶を司る海馬や前頭前皮質などの脳の領域が関与しています。

最新の研究によると、既視感は過去の体験が無意識のうちに呼び起こされ、それが現在の体験と重なることで生じると言われています。

並木道、古い町並み、公園、校舎、神社やお寺など。
既視感を覚えやすいシーンは、私たちが日常(テレビや写真なども含めて)似た景色を見る機会の多い場所や景色がほとんどです。

無意識にその記憶が再生されるので、その記憶に結びつくエピソードや理由が思い出せず(本で見た景色に似ているなど)、なんとなく中途半端で落ち着かない感覚になるのかもしれません。

既視感に悩まないためのヒント

既視感を感じた時には、まずリラックスすることが大切です。

深呼吸をして心を落ち着ける、軽いストレッチをして体の緊張をほぐす、あるいは瞑想を行うなどのリラックス方法を試してみましょう。
そうすることで、脳の働きを正常に戻す助けになります。

これらの方法は、ストレスを軽減し、既視感の頻度を減らす効果もあります。
リラックスすることで、既視感に対する不安も少しは和らげることもできるでしょう。

既視感を楽しむために

既視感はポジティブに捉えることで日常にスパイスを加える面白い体験として楽しむこともできます。

例えば、既視感を「今この瞬間に特別な意味がある」と捉えることで、その不思議な感覚を前向きに受け入れることができます。

また、「これは脳の面白いトリックだ」と考えることで、既視感を科学的好奇心の対象として楽しむこともできます。

既視感をポジティブに捉えることで、日常をより豊かに過ごすことができるでしょう。

また、既視感を感じた瞬間に、メモを取ってみるのも一つの方法です。
感じた状況やその時の感情を記録することで、後から振り返ることができます。

また、その感覚を家族や友人と共有し、他の人の体験と比較することで、新たな発見があるかもしれません。

例えば、「この場所に来るのは初めてだけど、どこか懐かしい感じがする」と話すことで、相手からも「私も同じことを感じたことがあるよ」という共感を得られるかもしれません。

既視感を記録し、共有することで、よりポジティブに捉えられるようになります。

おわりに

既視感は、私たちの脳が過去の記憶と現在の体験を一時的に混同することで生じる現象です。
この感覚は、誰にでも起こり得る脳の正常な働きの一部なので、決して不安がることはありません。

むしろ、既視感をリラックス法で和らげたり、ポジティブに捉えたりすることで、日常生活をより豊かにすることができます。

この不思議な感覚を前向きに受け入れ、人生の新たなヒントとして楽しんでみてくださいね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?