うすっぺらに生きてはいけない
私は幼いころ本が好きで、ずっと、ものを書く人になりたかった。
大人になるにつれて、忘れていた気持ちだった。
もともと、私は人に手紙を書いたりするのが大好きな人間だった。
物語を作っては母に読ませて楽しんでいた。
しかし、思春期を経て、文章に気持ちを載せたり、人に宛てて自分の想いを綴ることが恥ずかしいことのように思えてきて、どんどん自分の紡ぐ世界が自分から離れていってしまった。
ここ数年で読書活動を再開して、「やっぱり文章の力ってすごいな」と感じることが多くあった。声も、表情もないはずの文字の羅列なのに、そこに書いた人の想いが乗っかって、猛烈に何かを伝えようとしてくるパワーを感じた。もう一度、私もそっちに行きたいと思うようになった。
やっぱり私は、趣味に過ぎなくても物書きを始めてみようと思う。
一年前に思い立って、行動に移すのにここまで時間がかかった。
たくさん言い訳したからだ。
でも、21歳の私が考えていることをどこかに残しておきたいと思った。
部屋の隅で埃を被るノートにではなくて。
来年の私はまた違うことを考えて、違う世界にいるのだろうけど。
「うすっぺらに生きてはいけない」
非凡な何かになりたくて、人と違うことをしたくて、それなのに、うすっぺらに大学生活を過ごしてしまった。
地方の、名前を書けば入れる私立文系大学で、4年間を溶かしている。
もちろん、その時間が無意味だったわけではない。
しかし、私が自分を認めるには不十分な4年間だ。
今日、思い立ってキーボードをたたいてるのは、薄っぺらに生きないために、何か意味があることなのだと信じたい。
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