【独立のリアル】<序の章 No.07>スタートアップの先駆者 前田久吉展を観て
二〇二四(令和六)年の元日に、「スタートアップの先駆者 前田久吉展」を見学しました。東京タワー開業六十五周年記念企画展としての催し物でした。この催しで先ず興味を持ったのは、スタートアップの先駆者というフレーズでした。
「先駆者」という言葉を調べてみると、ビジネスの創業者、アーティスト、科学者など色々な分野で周囲に先駆けて新しいチャレンジをしていく人のこととあります。今回の企画展のパンフレットから一部抜粋して、前田久吉について紹介します。
~東京タワー創設者・前田久吉からのメッセージ~
産経新聞、東京タワー、マザー牧場。
全て同じ人物が創業したという事実を御存知の方は、どれだけいるだろうか。
『前田久吉』は一八九三(明治二十六)年に南大阪・天下茶屋の貧しい農村に生まれ、桶屋の丁稚奉公から身を立てた。親戚の新聞店を手伝ったことをきっかけに、一九二二(大正十一)年に、のちの産経新聞の源流となる南大阪新聞を創刊。市民の娯楽や楽しみを重んじた記述は好評を博し、博覧会を多数企画。博覧会男の異名を持った。
その後、関西テレビやラジオ大阪といったメディアを創設し、国政では参議院議員を二期務め、現在の関西未来銀行の源流の一つとなる大阪不動銀行を設立。さらに、日本航空や日本エアシステムの源流となる日東航空、大阪電気通信大学や証券会社、印刷会社を設立し、東京タワー、マザー牧場と多岐にわたる事業を立ち上げた。
まさに、現代で言うところの「スタートアップの先駆者」。それが『前田久吉』なのである。本展示では、次々と事業を立ち上げ、成功に導いた前田久吉の原動力を彼のメッセージや関連資料、オリジナル動画、年表等からたどることができる。閉塞感のあるこの時代だからこそ、前向きで熱く、そして愛に溢れた彼のメッセージを感じ取り、明日への活力にして頂きたい。
会場を出て、タワー周辺を見ますと外国人のツーリストや、お正月であったので家族連れが本当にたくさん行き来していました。タワーのスタッフの方も多数で、このタワーが観光産業として雇用の増加など、大いなる社会的貢献をしている様子を観るとき、人が事業を興すエネルギーの重要さを改めて痛感しました。
日本として、次の時代に生き、そして担う若い人が、自身のロマンと信念を基に起業し、それが成功するとき、周辺にこのような有形無形の大きな「善の恩恵」をもたらすことを知り、トライアルしてほしいと願わずにはおられません。