おさえておきたい人件費の基本
こんにちは。ぷらいむです。
最近、「人的資本」がトレンドワードになっていますが、「(ヒト・モノ・カネ・情報のうちの)ヒトは、コストではなく資本だ」という論調に違和感をもっています。
人材を活用するという考え方に異論はないのですが、その前提は健全な財務状況であり、人件費を無視するわけにもいきません。
ということで、今回の note は人件費について書いてみたいと思います。
人件費とは?
人件費とは、会社の費用の中で役員や従業員に使われる費用のことで、損益計算書(P/L)の左側の費用の部分に計上されるものです。
給与や賞与など従業員に実際に支払われる金額はイメージしやすいと思いますが、社会保険料の会社負担分や退職引当金、福利厚生や研修等の教育に使う費用も人件費として考えます。
本人に手取りとしてわたるもの
例:諸手当含む賃金、賞与、役員報酬等従業員に納付義務があるが、会社が代理で納付するもの
例:本人負担分の社会保険料や所得税、住民税等会社が負担するもの
例:会社負担分の社会保険料や福利厚生費、教育費等
人件費は会計や税務に関わるので、計上しようとする福利厚生費や教育費等が所得税法上の考え方と合っているか注意が必要です。
総額人件費管理とは?
人件費の管理手法には様々なものがあり、「利益のうち何割を人件費に回すのか」という「総額人件費管理」が基本となります。
総額人件費管理を行うときのポイントは
総額人件費の枠は経営計画とマッチしているか?
どういう方針の元で総額人件費を配分していくか?
給与・賞与に配分された金額で従業員のモチベーションを維持できるか?
最近では人材の獲得のために、他社よりもお給料を多く出していく動きもありますが、その結果、人件費が膨れ上がり将来への投資が出来なくなってしまっては本末転倒になってしまいます。
企業活動のバランスをとっていくためにも総額人件費、つまり「コスト」という考え方は前提になると思います。
労働分配率とは?
企業価値を高めるための経営指標は色々とありますが、人件費に関わるものとして「労働分配率」があります。
経産省の定義では、労働分配率(%)=給与総額÷付加価値総額×100 となっており、会社が新たに生み出した価値のうちどれだけ人件費に分配されたかを示す指標のことです。
(付加価値総額は、営業利益+給与総額+減価償却費+福利厚生費+動産・不動産賃借料+租税公課。業種によっては総利益に近くなる。)
経産省が毎年公表する「企業活動基本調査」によると、労働分配率は約50%。
中小企業の方が比率が高くなる傾向にあります。
おわりに
人件費は利益に及ぼす影響が大きいので、予算を編成する際には現場と人事で対立することもあります。
賃金は昇給などの社内要因だけでなく、最低賃金の上昇、社会保険加入の適用拡大、業界の採用競争など外部要因も作用するので、総額管理は神経を使います。
雇用は生産の三要素の一つであり、近代経済学ではそれを資本と捉えることも考えられますが、財務上ではコストになるので両側面から考えていくのが大事だと思います。
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