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【エッセイ】雑誌が好きなんだけど読み切れないタイプ。でもnice thingsは読み切れる謎。

先日、家族と長野の旅へ。宿泊目的地は高原でしたが、その前に松本を散策しました。

松本市は何度も旅した場所。工芸の5月に訪れたり、まつもとクラフトフェアに行ったり、キャンプ(山の中腹にひっそりと誰も来ないキャンプ場があった、今はどうなってるのかしら)をしたり、開運堂のソフトクリームを食べてみたり、浅間温泉に行ったものの手紙舎「文箱」がお休みで悲しんだり。いろいろ。

今回は松本城にのぼってから、ちょっと寄り道して「栞日」さんへ。

写真左側、ラジオ商会と書かれている建物の内部。リノベーションされていて、カフェと本屋さんになっています。

2階の本屋さんは、インスタの印象よりもさらに魅力的。空き箱が積み上げられた壁一面の本棚には、選りすぐりの雑誌や本がずらり。

この空気感はなんでしょう?
居心地がよくて、静かで、優しいのにワクワクする。
絞られた光と、古いものが生み出す光沢と、静かな時間を求めて訪れる人たちが持つ空気感。

半日くらい本を手に取りながらくつろいでみたい!

滋味深い本がセレクトされています。リトルプレスもたくさんあって、ぱらりと中をのぞいてみました。

2階の半分はカフェコーナー。おひとりさまのお客様が何人かゆったりと過ごされていて、柔らかな空気が漂っています。

テイクアウトのアイスコーヒー

実は家族を待たせていたので、ささっと本を買って、アイスコーヒーをテイクアウト。このバタフライカップに入ったアイスコーヒーもとても好きな味でした。

また、いつか訪れてみたい場所です。

栞日さんにて買った本はこの3冊。

通販でnice thingsを買おうと思っていたのですが、最新2冊が並んでいたので思わず。それから、しまなみ海道が特集されていたPAPERSKY。広島周辺にも行きたいな。

nice thingsはこれまで数冊手に取ってきましたが、しっかり向き合いながら読むのは初めてなのかも。

不思議な雑誌。

情報誌という概念を捨てて読まないと、「え? これでいいの?」と驚くことがいっぱいです。

例えば、あるお店の遍歴を語っているのに、オープン日も、リニューアル日も、壊して建て替えたのかどうかもしっかりとは書かない。ライティングの軸が「お店の人の思い」「その人の人生」「その人の目から見た世界」になっていて、客観性が乏しいのです。

お店を立ち上げたメンバーの写真にはキャプションがなく、「一体どれが誰?」となるのですが。「それは現地であなた自身が体験してきて」と言われているような感覚。

読み終えても、わかったようでわからない。

でも、それでいいんじゃない? と思わせる魔法。

そのお店の人が、どんな思いでその場所やブランドを立ち上げて、どういう姿勢で世界と向き合っているのかを知ることで、「いいな、行ってみたいな、すてきだな」と読者に思ってもらえたら、正解。

「雑誌は、写真が主体で文章はおまけだよね」

そう言われがちですが、nice thingsは、きちんと文章も主役になっているメディア。その分、書き手の力量が求められるのだと思います。
(おそらく数名いらっしゃるであろう書き手の中で、どーーーうしても読めない人がお一人いました。こういうのも相性???)

構成もシンプル。
そんなに頑張らなくても、最後まで無理なく読めます。

雑誌を買っても最後まで読まないまま、次号が出てしまって「もういっか」になる私には珍しいこと。いつもは膨大なコンテンツを把握し切れないのです。

雑誌はもっともっとシンプルでよくて、「読み切れたー!」と達成感を感じてもらえたらいいのかもしれません。ただ、そのためには一つの記事を深掘りして、それを読む価値を上げる必要があります。

それが難しいから、情報を羅列していくのかな。

栞日さんのお向かいにある「菊の湯」。経営が同じなのだそうで、カフェに行く際に駐車場が利用できます。

松本の湧き水を使ったお湯は、とっても柔らかくて気持ちがいいとのこと(お店の人から聞きました)。今回は時間がなかったのですが、松本にゆっくり滞在できる日があれば入ってみたいです。

松本に行くたびに、「今日こそミナペルホネン」と思うものの、今回も行けず。ハギレが欲しいなと思いつつ、購入したところで何を作る? かは謎ですが。

また、いつか。






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